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220号(2020年3月)特集「課外活動」

都市の旨みを味わう


アルパックも参加する「一般社団法人 都市計画コンサルタント協会」では関西の若手コンサルタントが集まり、関心の共通するテーマを定め、都市に関する自主研究を行っています。

 アルパックも参加する「一般社団法人 都市計画コンサルタント協会」では関西の若手コンサルタントが集まり、関心の共通するテーマを定め、都市に関する自主研究を行っています。
 今期のテーマは、「おだし」です。料理における出汁は、具材とは異なり、実態は残らないものの、料理に〝旨み〟を加え、その料理の印象を決める重要な要素であるとともに、地域性や家庭に受け継がれている遺伝子のような存在です。
 都市においても、即物的な空間やサービス以外に、都市の印象を規程するとともに、脈々と都市や地域に受け継がれる「何か」があるのではないかという仮説を立て、その「何か」を明らかにするとともに、プランナーとして誘導やコーディネートする方法を探るべく「都市に息づく都市に息づくDNA(Dashi no aji)研究会」を立ち上げました。
 皆さんも一度は、「あのまち(場所)は濃ゆい」などといった表現を用いたことがあるかと思います。「濃ゆい」とは、一般に何らかの密度が高い状態を指しますが、何の密度が高いのかが、ヒントになるのではないかなどと個人的には考えております。
 研究活動はまだ序盤ですが、初年度は、文献調査、お出汁屋さんやお出汁料理屋さんへのヒアリング調査、及び購入した乾物を用いた出汁の抽出体験を通じて、そもそも〝出汁〟とは何かを整理するとともに、都市における〝出汁〟や〝旨み〟、出汁を抽出するための〝乾物等〟が何かを求め、JR大阪環状線の各駅周辺のまちを対象としたフィールドワークを通じ、ケーススタディを進めているところです。一定の成果が出ましたら改めてご報告いたします。皆さんも、お住いの地域の出汁について一考してみても面白いかもしれません。

都市・地域プランニンググループ 中井翔太

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