レターズアルパック

Letters arpak
220号(2020年3月)特集「課外活動」

まちの一員として感じる喜びからまちづくりを学ぶ


阪急桂駅を中心としたエリアで毎年開催している桂ヴィレッジフェスというイベントの実行委員会に立ち上げの時から関わっています。紆余曲折もあり、今後も変化していくと思いますが、基本的なコンセプトは「新しい祭りをつくる」ことです。

 阪急桂駅を中心としたエリアで毎年開催している桂ヴィレッジフェスというイベントの実行委員会に立ち上げの時から関わっています。紆余曲折もあり、今後も変化していくと思いますが、基本的なコンセプトは「新しい祭りをつくる」ことです。
 「祭り」という言葉には、「毎年必ず開催される」「地域の老若男女が各々の役割を持ちつつ楽しむ」ものであるというイメージがあります。例えば、獅子舞などの無形の文化財が大人から子供に引き継がれ、祭りで身にまとう伝統衣装をつくる産業があることなど、「その地域の文化・産業・人のつながりが引き継がれる仕組み」であることを想起します。
 その他に私は、樫原町家灯篭会という地域の街並み保全を目的としたグループにも所属しています。古くて美しい街道筋の街並みを次世代に引き継いでいくために、軒先をお借りしたイベントや、町家保全に係る制度の勉強会を開催しています。
 どちらの活動も、地域の人たちが自分の住む町のことを愛して、次世代に引き継ぐための営みとして、とても大切に感じています。また、新たな取り組みを若い世代が生み出していくことの素晴らしさや大変さも感じます。
 このように、私自身がまちの一員として、未来を担う子供たちに大事なものを伝えていく中で、感じる喜びや帰属意識、まちに対する責任感や愛着を身につける体験は、まちづくりを生業としている者として大切な課外活動だと感じています。
 エリアマネジメントというキーワードがまちづくりの分野で広く使われるようになりましたが、「エリアの価値」を高めることだけでなく、住民として大切なものは何か、引き継ぐべきものは何か、ということを考えていきたいと思います。

新しい祭りをつくる

新しい祭りをつくる

地域再生デザイングループ 嶋崎雅嘉

220号(2020年3月)の他記事

バックナンバーをみる

タグで検索

ページトップへ