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219号(2020年1月号)今、こんな仕事をしています

官民連携による産業団地開発に取り組んでいます(加古川水足戸ヶ池周辺地区まちづくり協議会のチャレンジ)


兵庫県加古川市の中南部、市街化調整区域に位置する野口町水足地区で、官民連携による産業団地開発を支援しています。

 兵庫県加古川市の中南部、市街化調整区域に位置する野口町水足地区で、官民連携による産業団地開発を支援しています。
 「戸ヶ池」は農業用ため池ですが、都市化の進展に伴い本来の役割を終えています。草木の繁茂や悪臭、害獣の棲み着きなど生活環境問題を生じ、ため池廃止による抜本解決が求められていました。隣接する農場では、移転・売却の意向がありました。一方、加古川市では地域創生戦略において企業誘致・働く場の確保を重視するものの新たな産業用地不足が悩みでした。こうした3者の状況・思惑が一致するものとして、産業団地開発が発意されました。かれこれ5年以上前のことです。
 その後準備期間を経て3年ほど前にまちづくり協議会が正式発足し、市の活動費補助と自己資金を元に可能性調査を実施し、一定の可能性を見出す中でまちづくり構想を立案し、地権者等の合意形成に取り組んできました。昨年4月には、「事業化検討パートナー企業」を募集・選定し、技術的・資金的支援を受けて調査・計画の詳細化を進めています。
 産業団地開発は、従来は自治体や土地開発公社などの公的団体による開発事業が主流で、近年はPFIなどの官民連携手法の導入が盛んですが、本地区は、地元主導型の官民連携事業と言えるものです。すなわち、地権者や地元の団体等がまちづくり協議会を組織し、地元の問題として損得なしに労をとって事業推進の中心を担い、行政も公的位置づけを与えて支援を惜しまず、パートナー企業との協働のもと、民間開発事業者による開発行為を適切に誘導して産業団地を開発しようとするものです。
 事業自体は民間による直接買収と開発行為というシンプルなものですが、まちづくり協議会方式で土地売買を含む事業化まで持っていこうとする所が特徴であり関係者の苦労する所でもあります。
 今後、地権者の合意を得て、開発事業者の公募・選定に取りかかる予定です。これまでの水面下の努力が実を結ぶ日も近づいてきました。まちづくり協議会やパートナーという仲間とともに、大きな期待を胸に、一歩ずつ前進を続けたいと思います。

草木が繁茂している戸ヶ池が産業団地に生まれ変わる日も近

草木が繁茂している戸ヶ池が産業団地に生まれ変わる日も近い

都市・地域プランニンググループ 岡本壮平

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