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219号(2020年1月号)今、こんな仕事をしています

東条川疏水を次世代の財産に!


東条川疏水ネットワーク博物館構想策定から令和2年3月で10年を迎えるにあたり、次期構想策定に向けて総会と井戸端会議と称したワークショップを11月に開催しました。

 東条川疏水ネットワーク博物館構想策定から令和2年3月で10年を迎えるにあたり、次期構想策定に向けて総会と井戸端会議と称したワークショップを11月に開催しました。
 兵庫県の東条川疏水流域は全国でも特に雨の少ない地域で、昭和8年に昭和池が完成、そして昭和26年11月23日に鴨川ダムが竣工し、その後地域に水を届ける水路が建設されました。
 東条川疏水は鴨川ダムを主な水源とした108キロメートルの水路網で、加東市、小野市、三木市の農地に農業用水を供給するとともに一部は加東市と小野市の水道水としても利用され地域にとってかけがえのないものです。しかし、近年過疎・高齢化による地域農業の衰退や、非農家の増加によって「水の恵み」に対する認識が薄れつつあります。そんな中「地域の手で次世代のために水の恵みを活かす」活動が必要であると考え、平成24年に『東条川疏水ネットワーク博物館構想』が策定され、そして平成27年には地域全体を大きな博物館としてとらえ、地域内の施設や活動が展示物であるという考えの元、『東条川疏水ネットワーク博物館』がオープンしました。地域全体で疏水について学び、財産として活かし、次世代に引き継いでいくことを目的としています。この間、構想実現に向け疎水めぐりや聞き書き、サイン看板整備などの取組を行ってきました。そして、昨年11月23日『東条川疏水の日』に今後の取組の方向性を示すべく総会と井戸端会議を開催しました。
 総会では、関係団体等が60名近く参加し、これまでの活動の振り返りと共に次期構想策定に向けた共有が行われ、また井戸端会議では行政、関係団体、地域の方々が入り混じり、疏水に対して率直な意見が飛び交いました。取組を開始して約10年が経ち、地域の方々が疏水の大切さを認識し始めていることは実感しましたが、実際に次世代に伝えていく為の行動を起こすところまでは至っていないと感じ、意識を定着させていくことの難しさを感じました。地域の人々が東条川疏水に誇りを持ち、自ら今後の取組について考えていけるようなきっかけづくりを模索していきます。

総会

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サスティナビリティマネジメントグループ 豊福宏光

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