レターズアルパック
Letters arpakホーチミン市のまちなかで出会った本と憩いの空間
本に出会う場所、本を手にする場所は人それぞれでしょう。
ホーチミン市はベトナム最大の都市であり、行政や経済、観光の中心地となっています。市内には、劇場や図書館などフランス統治時代に建てられたコロニアル調の建物やまち並み、おしゃれなレストランやお店、近代的な高層ビル、歩道脇の露店即席カフェなどが混在しています。
本に出会う場所、本を手にする場所は人それぞれでしょう。
ホーチミン市はベトナム最大の都市であり、行政や経済、観光の中心地となっています。市内には、劇場や図書館などフランス統治時代に建てられたコロニアル調の建物やまち並み、おしゃれなレストランやお店、近代的な高層ビル、歩道脇の露店即席カフェなどが混在しています。
![ブックストリート](https://www.arpak.co.jp/contents/wp-content/uploads/2019/10/217_17a-460x345.jpg)
ブックストリート
ネオ・ゴシック様式の中央郵便局横にあるグエンバンビン通りでは、2016年にブックストリート「Duong Sach(ドゥオンサック)」がオープンしています。150メートル弱、幅8メートルの通りは歩行者専用となっており、その両側には10以上の小さな本屋が立ち並んでいます。店頭を覗いてみると、現地の本だけでなく、日本の漫画や小説の翻訳本まで様々な本が並んでいます。観光客を意識した可愛らしい雑貨も売られていました。国民の年間読書量が年間数冊にも満たないベトナムでは、2014年から毎年4月21日を「読書の日」と定め、政府主導で国民の読書奨励のための様々な取り組みが実施されています。このブックストリートもその政策の一環であり、なんとオープン後の半年で2万4千冊以上もの書籍が売れたそうです。
本屋横にはおしゃれなカフェも併設されています。ベトナムのカフェはオープンスタイルがほとんどで、冷房はないのですが風通しの良いつくりとなっており、緑も多いことから、それほど暑苦しさを感じることはありません。私が訪れたのは暑い夏の夕方近くでしたが、バイクが往来する周囲の混沌と喧騒を横目に眺めつつ、多くの人が本を読みながらカフェで寛いでいました。
![本屋併設のカフェ](https://www.arpak.co.jp/contents/wp-content/uploads/2019/10/217_17c.jpg)
本屋併設のカフェ
![バス停を模した休憩スペース](https://www.arpak.co.jp/contents/wp-content/uploads/2019/10/217_17b-1.jpg)
バス停を模した休憩スペース
また、カフェの横には、半屋外空間のキッズスペースも設けられています。子どもたちはまちの通りと本との緩やかなつながりのある空間で、楽しく安全に遊ぶことができ、親もその様子を見守ることができます。日本で子どもを連れてまちなかにお出かけするのはハードルが高いのですが、こういった空間があれば、子育て世代がまちなかに出る契機になるのではと感じました。
このブックストリートは、素敵な本との出会いを届けてくれる場として、市民の憩いの場として、観光地として、子どもがまちで過ごす場所として、周囲とは差別化された非常に魅力的な空間でした。
![キッズスペース](https://www.arpak.co.jp/contents/wp-content/uploads/2019/10/217_17d.jpg)
キッズスペース
![ブックストリートの一角にある展示スペース](https://www.arpak.co.jp/contents/wp-content/uploads/2019/10/217_17e.jpg)
ブックストリートの一角にある展示スペース
サスティナビリティマネジメントグループ 植松陽子
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