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217号(2019年9月号)特集とどける

相手を思って「届ける」


両親の実家が和歌山県有田郡にあります。和歌山県の有田川流域一帯で生産される有田みかんは、和歌山の代表的なブランドの一つですが、父方の祖父もこの有田みかんを栽培する農家を営んでいます。

 両親の実家が和歌山県有田郡にあります。和歌山県の有田川流域一帯で生産される有田みかんは、和歌山の代表的なブランドの一つですが、父方の祖父もこの有田みかんを栽培する農家を営んでいます。
 そして、私が物心ついた頃には、既に毎年欠かすことなく、季節の折々に作った果物をたくさん届けてくれていました。私が遠方に住んでいた時も、どうしてもないと寂しくなり、わざわざ送り届けてもらっていました。とてもおいしい祖父の作った果物は、私の自慢です。そんな祖父もすっかり年をとり、農業を退き、今では叔父夫婦が農家を継いでいます。
 私はというと、いつの頃からか毎年お盆やお正月の帰省の時期には、祖父の元に、祖父の大好きな日本酒を届け、飲み交わすことが定番となっています。祖父はこの時を楽しみにしてくれていて、私もいつまでも元気で、おいしそうに飲む姿を見るのが楽しみの一つとなっています。
 今回のテーマである「届ける」という言葉には、「渡す」や「送る」という言葉よりも、より受け取る側が重要だという意味があるように思います。最近はだれかに贈り物を届けるということはあまりありませんが、祖父とのこの毎年のやりとりは、その物以上の大切さがあると感じています。

都市・地域プランニンググループ 松下藍子

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