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216号(2019年7月号)今、こんな仕事をしています

東京都「良好な夜間景観形成のための建築計画の手引」の作成を支援しました


首都の夜間における光環境と地域の魅力を向上するため、夜間の景観形成の配慮事項を掲載した手引きを作成しました。

 首都の夜間における光環境と地域の魅力を向上するため、夜間の景観形成の配慮事項を掲載した手引きを作成しました。
 東京都内には、東京駅周辺の風格あるエリアをはじめ、にぎわいの光が水面に映り込む臨海部、緑豊かで落ち着いた住宅地が広がる丘陵部、夜間も活動的な商業・業務地など、多様な夜景の特性があります。特性を生かした夜間景観づくりのため、光の質を向上するための基本的事項や、地域ごとの配慮事項をまとめています。
 光の質の向上のための7原則として、光と影を対比的に生み出して陰影をつくりだす、人肌を美しく見せる光源を用いる、四季や時間の変化などに応じて演出を変える等のポイントを紹介しています。その中で色温度については、住宅地は安らぎを感じる低い色温度が適している一方で、業務・商業地では高揚感のある高い色温度が用いられる場合もあります。近年ではクリエイティブな発想ができる環境づくりとして、リラックスできる低い色温度を用いるオフィスも出てきており、空間の目的に応じた色温度の検討を勧めています。
 東京都景観計画に定めている地区区分ごとに、夜間の景観形成基準を解説し配慮事項をまとめているほか、大規模建築物等については光の演出の考え方や環境への配慮、屋外広告物の照明における注意点などを解説しています。赤く点滅する航空障害灯については、設置基準が緩和され消灯や低光度化が可能になったことを紹介しているほか、オフィスビルからの漏れ光を抑制するための対策や停電対策も盛り込んでいます。
 夜間に浮かび上がる一つひとつの光が磨かれ、つながることにより、より一層魅力的な夜景となっていくことを楽しみにしています。

ビル頂部の照明によりまちなみの一体感を演出する、丸の内エリア

都市・地域プランニンググループ 依藤光代

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