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216号(2019年7月号)特集「はずむ」

お酒がはずむ


まだまだ半人前で未熟な私ですが、最近やっと日本酒が少しだけわかるようになってきたかもしれません。

 まだまだ半人前で未熟な私ですが、最近やっと日本酒が少しだけわかるようになってきたかもしれません。
 個人的に思っていることは、日本酒の味の違いを感じることができたら、大人の世界に一歩近づけるのではないかということです。
 日本酒に興味と憧れがある私ですが、旅行などで各地を訪れたとき、行く先々でその土地の地酒を見かけるたびに、名前、ラベルのデザインなども含め、本当にバリエーション豊かで素晴らしいと感じていました。日本は四季があり、北から南、東から西へと移動すると、実に豊かで多様な気候・風土を感じることができます。初めて行った場所の景色、においなどをぼうっと感じることが好きで、幼少期は家の周りに水田が無かったためか、特に田んぼと水辺の風景に心惹かれます。日本酒は、勝手に解釈するならば、その田園風景から育まれた米と水を原料とし、その土地の気候・風土と人の手によって醸成された、まさにその土地ならではの風景を味覚によって感じるものではないでしょうか。しかしながら、旅先でお酒を飲むときは、ついビールを頼んでしまい、途中で日本酒を飲んではみるものの、味の違いがわからないままでした。

松尾大社(相生の松)にてお参り


 そんな私が最近、日本酒がおいしい!と思う瞬間がありました。業務の帰りにお酒にまつわる神様として有名な京都の松尾大社に立ち寄り、お参りをした後、桂駅周辺で皆さんと共にお酒を飲みましたが、2軒目に行った日本酒バーがなんとも良いお店でした。各地の日本酒の中から、薦められた飲みやすい銘柄を中心に飲み比べをしました。どれもすっきりとした味わいながらも、それぞれ微妙に香りや甘みが違い、高尚なおいしさをついに感じることができました。もしかしたら、お酒の神様が私を少し大人へと近づけてくれたのかもしれません。

建築プランニング・デザイングループ 杉本健太朗

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