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216号(2019年7月号)特集「はずむ」

「心はずむ」この瞬間とこの場所を大切に


子どもの小学校の運動会は、例年、秋開催なのですが、今年は夏休みにプール設置工事が始まることから初の春開催となりました。

 子どもの小学校の運動会は、例年、秋開催なのですが、今年は夏休みにプール設置工事が始まることから初の春開催となりました。
 うちの子どもが通っている小学校は小規模特認校※で、息子(6年)の同級生は6人、娘(2年)の同級生は8人で全校生徒が50人程度です。学校は豊かな自然に囲まれた環境にあり、春はワラビ採りや田植え体験、夏は郷土芸能の盆踊り、秋は稲刈りやだんじり祭り、冬は餅つきやしめ縄づくりなど地域の人々との交流を通して、通常の学校では中々味わえない体験をさせて貰っています。
 そういう環境ですので、運動会も学校行事の枠を超えた地域の一大イベントです。先生や保護者はもちろんのこと地域の老人会や卒業生も一斉参加です。私も例年、借り物競争、綱引きへの参加は必須です。
 子どもたちのダンスや徒競走、リレーにワクワク、老人会の競技にはヒヤヒヤ、保護者の競技でクタクタ・・・となりますが、「心はずむ」1日となります。
全ての競技終了後には、卒業する6年生が校庭を一周し、それをみんなが拍手で見送るのですが、自分の子どもで無くてもついつい涙腺が緩んでしまいます。
 小規模特認校ですので、地元の子どもは年々減少しており、今年の新入生でも地元在住の子どもは1~2人しかいません。全校生徒をみても大半が校区外からの越境通学です。しかし、地元の方々は「地元に小学校があることが大切。いつか息子や娘が帰ってきたときに学校が無いと困るやろ?」という想いを持って、様々な形で学校運営に協力されています。
 息子も今年で卒業し、娘がお世話になるのは後4年間となります。貴重な「心はずむ」瞬間と、子どもたちがお世話になった地域や学校を大切に見守っていきたいと思います。
※小規模特認校とは、中山間地などの自然環境に恵まれた小規模な学校において、その特色を活かした教育に取り組むことで心身の増進等を図ることを目的にした学校。過疎地における学校存続のための適用方策のひとつでもある。

都市・地域プランニンググループ 清水紀行

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