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216号(2019年7月号)特集「はずむ」

価値あるレガシーをめざして


2027年リニア中央新幹線の品川、名古屋間の開業が予定されています。その前年の2026年、「アジア競技大会」が愛知・名古屋で開催されます。

 2027年リニア中央新幹線の品川、名古屋間の開業が予定されています。
 その前年の2026年、「アジア競技大会」が愛知・名古屋で開催されます。名古屋市には大会を一過性のスポーツのイベントで終わらせるのではなく、開催効果をスポーツの振興をはじめ、交流人口の拡大、国際交流の促進、国際競争力の強化など様々な分野につなげていくことが求められています。そのため名古屋市は大会を契機として市がめざす姿とその実現に向けた取り組みを明らかにするレガシービジョン(アジア競技大会NAGOYAビジョン(仮称))の策定に取り組んでいます。ビジョンではSDGsの理念を踏まえ、「夢や希望をはぐくみ、誰もが自分らしく生きる」、「アジアとともに歩み、更なる飛躍を遂げる」をコンセプトに4つのめざすまちの姿を掲げています。(以下は各まちの姿からの抜粋)

まちの姿1 健康・地域活力
 誰もが生涯にわたって身体活動に親しみ、活動的で充実した生活、すなわちアクティブライフを送ることができる土壌を創出することで、市民の健康寿命の延伸をはかるとしています。

まちの姿2 魅力・誇り
 名古屋市実施の主要8都市魅力度調査にて「行きたくない街ナンバーワン」と不名誉な結果が続いていることから、名古屋城天守閣の木造復元、コスプレホストタウンの推進など名古屋が有する魅力資源の磨き上げに取り組むとしています。

まちの姿3 国際交流・多様性
 豊かな国際感覚を備え、多様性に理解を示す市民の育成に取り組むとしています。愛知県は東京都に次いで全国2位となる約25万人の外国人が住んでおり、今すぐにでも取り組むべき課題と考えられます。

まちの姿4 イノベーション・持続可能性
 大会のレガシーとなる選手村は津波浸水などが危惧され人口が減少するエリアに整備します。(競馬場跡地を活用)成熟都市での開催における選手村の新たなモデルを構築するとともに、周辺地区のにぎわいと新たなブランドの形成に向けたまちづくりが求められています。
 また、製造品出荷額が全国一位である愛知県の中心都市名古屋に今後求められる機能として、企業の交流・共創を促すイノベーション拠点の設置・運営を経済団体等との連携により実施していくこととしています。
 大会を契機に「はずむ」ことができるのか、愛知・名古屋の挑戦が始まったところです。

名古屋事務所 福井秀樹

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