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215号(2019年5月号)特集「旅」

脱獄不可能の孤島・アルカトラズ島


人類の悲劇や死を対象とした観光を、ダークツーリズムと言い、私自身チェルノブイリやアウシュビッツなど、さまざまな箇所を訪れています。
GWに訪れたサンフランシスコ・アルカトラズ島もそのひとつと言えるでしょう。かつてはインディアンが住み着いており、南北戦争時には砲台が置かれていた島に連邦刑務所が置かれたのは1934年。島を取り巻く海流の速さと海水温の低さから、泳いで逃げることが難しいためアル・カポネをはじめとする凶悪犯が多く収容されていました。別名「ザ・ロック」。

 人類の悲劇や死を対象とした観光を、ダークツーリズムと言い、私自身チェルノブイリやアウシュビッツなど、さまざまな箇所を訪れています。
 GWに訪れたサンフランシスコ・アルカトラズ島もそのひとつと言えるでしょう。かつてはインディアンが住み着いており、南北戦争時には砲台が置かれていた島に連邦刑務所が置かれたのは1934年。島を取り巻く海流の速さと海水温の低さから、泳いで逃げることが難しいためアル・カポネをはじめとする凶悪犯が多く収容されていました。別名「ザ・ロック」。

アルカトラズ島

 繁華街からほんの2.4キロメートルの距離にあるため、島はまちのどこからでも見えるシンボル的な存在です。もちろん、島からも大都会が見渡せるため、受刑者はまちの夜景を見ながら、自らの罪を悔い改めたのかもしれません。
 刑務所は1963年に閉鎖されましたが、当時の独房も、重々しい空気はそのまま。その後政治活動家によって占拠されましたが、現在は国立公園事務局が管理しており、鳥類をはじめとする野生動物の保護が行われています。
 華やかなダウンタウンが「光」だとしたら、ここはまるで「影」ともいえる場所。サンフランシスコの影の記憶を受け継ぐ場所になっているのだと感じました。

水鳥

 

独房

 

公共マネジメントグループ/丸井和彦

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