レターズアルパック
Letters arpakハレを見つけに商店街へ
アーケードにクリスマスの飾り付けが始まろうとする頃。大阪の商店街にハレを見つけに繰り出しました。
アーケードにクリスマスの飾り付けが始まろうとする頃。大阪の商店街にハレを見つけに繰り出しました。
■駒川商店街
探偵ナイトスクープなどでたびたび登場する駒川商店街に初めて来ました。アーケードには、駒川商店街のソングが流れ、どこからともなく響きわたる渋い売り声。そして、対面販売の八百屋、魚屋、肉屋がぎょうさんあり、昔は当たり前にあった市場の賑わいが、ここには残っています。値段の交渉や食べ方など、和気藹々と弾む会話は対面販売ならではの魅力です。乾物屋や魚屋には、今ではなかなか見かけない棒鱈がつるされていて、もうお正月なんだなあと。立ち寄った魚屋では、魚の鮮度の見分け方、養殖と天然物の違いなどを教えてもらい。「ええいっ、明日は休みやし、今日はおまけや。また、来てやー。ねえちゃんの顔は覚えたし」とか、威勢のいい売り声に笑いがこみあげてきます。普段、来ない場所でハレの気分になり、ちょっとはりこんでふぐを買ってしまいました。(中村孝子)
■千林商店街
大阪市旭区にある千林商店街はダイエー発祥の地として有名であり、大阪のローカルテレビ番組で大阪のおばちゃんへ意見を求める時に頻繁に登場するのでご存知の方も多いかもしれません。商店街では特徴的なテーマソングが流れます。歌詞の「いち・じゅう・ひゃく・せん・せんばやし〜」という部分は、一度聞くと忘れないリズムとなっています。
私の実家は千林商店街より自転車で10分ぐらいのところにあり、子どもの頃からよく訪れていました。日常的な利用だけでなく、中学校に入学の際は制服を買いに、成人式の際は晴れ着の袴を借りに訪ねるなど、人生の節目で商店街のお世話になっています。
成人式の日に利用したお店を記憶を頼りに探してみると、今もしっかりと営業を続けており、お店を発見した時には、当日に早起きして訪れ、着付けが終わった後に歩いた朝の記憶が思い出されました。また、私の祖母は千林商店街から電車で15分くらいのところに住んでいますが、お正月用の昆布をここまで買いに来ていました。そういったことを思い返すと、日々の生活(ケ)と人生の節目やお正月(ハレ)のどちらも商店街がしっかり支えてくれていたのだと再認識しました。
この記事を書くにあたり、久しぶりに訪れると昔あった店が別の店に変わっていたりなど、変化を感じましたが、これからも人々のハレとケを支え続ける場所であって欲しいと思います。(塗師木伸介)
レターズアルパック編集委員会/中村孝子・塗師木伸介
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