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213号(2019年1月号(新年号))今、こんな仕事をしています

全国の産地から1.2億人の食卓へ効率的に「食」を届ける卸売市場のシステム


三千万円でマグロが競り落とされました~!昨年完成した豊洲市場でも初めての初セリが行われたことでしょう。近年、卸売市場の経営や再整備に関係する仕事が増えつつあります。

 現在、全国に中央卸売市場は40都市に64カ所(すべて公設)、地方卸売市場は1060カ所(うち公設151)あります。それらの多くは卸売市場法のもと昭和40年代に建設・開設されました。高度成長期の都市への人口集中に伴い、全国の産地でとれた農産物や魚介類等を効率的に都市に運び、分配するシステムです。直売所やネットショップがはやり、産地と量販店等との直接取引が増えつつある現在でも、国産青果物の8割は卸売市場を経由しており、南北に長い日本列島における重要な食流通のインフラと言えます。
 しかし、市場施設建設から40~50年が経過し、多くの市場で老朽化が進んでいます。また食品流通に適したより衛生面に気配りした低温保管や、物流センターのような効率的荷捌きも求められています。さらに市場を活かした地域活性化などへの期待もあり、現在、市場を抱える自治体で再整備がホットな話題になりつつあります。一方、卸売市場法改正により、これまで全国一律のルールであったものが、基本的には市場ごとに、民営化も含めて開設主体や取引ルールについて定めることになりました。もし全国の市場がそうした柔軟な運営になると、強い市場や事業者はより強くなるような弱肉強食がより鮮明になると思われます。
 このように市場内の事業者は、施設面と経営面で非常に大きな変革期を迎えています。さらなる悩みは社員の高齢化と若手人材が集まらないことです。特に、深夜から始まる仕事、重たい荷物を運ぶ仕事、社会にわかりづらい仕事などの理由で、優秀な人材が確保しにくいのです。それは将来の経営にも大きな影響を及ぼします。
 話は少し飛びますが、卸売市場の仕事を題材として取り上げた漫画があります。国立大学農学部を卒業した主人公が卸売市場に就職し、奮闘するお話です。いくらがんばっている生産者がいても、いくらよい農産物があっても、その価値を発見し、評価して、消費者に届ける人がいないと意味がない。それが卸売市場の仕事だと語る場面が印象的でした。

地域産業イノベーショングループ/原田弘之

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