レターズアルパック

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213号(2019年1月号(新年号))特集「ハレ」

特集「ハレ」


明けましておめでとうございます。
ハレの年始に、アルパックのスタッフからハレのメッセージをお届けします。
各人にハレにまつわるエピソードと新年の抱負を語ってもらいました。
ケがあるからこそのハレ。
ハレのときにばかり注目が集まりがちな昨今、ケのときを大切にするまちづくりこそ大切にしたいと思います。
2019年もレターズアルパックをどうぞよろしくお願いします。

レターズアルパック編集委員会

特集「ハレ」

明けましておめでとうございます。
ハレの年始に、アルパックのスタッフからハレのメッセージをお届けします。
各人にハレにまつわるエピソードと新年の抱負を語ってもらいました。
ケがあるからこそのハレ。
ハレのときにばかり注目が集まりがちな昨今、ケのときを大切にするまちづくりこそ大切にしたいと思います。
2019年もレターズアルパックをどうぞよろしくお願いします。

レターズアルパック編集委員会

マンネリ化したハレの日の楽しみ 都市・地域プランニンググループ/石川聡史
ハレの日と言えば誕生日やクリスマス、年末年始ですが、年齢を重ねるにつれライフスタイルに変化がなくなり、これらの日々も毎年同じようなスケジュールで過ごすことが多くなりました。だからといって退屈するわけではなく、特に年末年始は独特の時間の流れの中で過ごすことを楽しんでいます。無理に新しいことに手を出さず、「マンネリ化した非日常」を楽しむことが、今の自分には合っているような気がします。
今年の抱負もここ数年は変わりませんが、新しい分野への挑戦とこれまでの専門分野の深化について、バランス良く取り組みたいと思います。

心穏やかな1年に 都市・地域プランニンググループ/稲垣和哉
大学では写真部に入っていました。写真部に入ると、まずはフィルムで写真を撮り、暗室での写真の現像を経験します。暗室ではセーフライトの微かな光はあるものの、真暗闇の静かな空間です。光は禁物ですので、携帯も使えず、完全に1人きりの時間と空間がそこにはあります。現像には時間を要するため、自然と物思いにふけるのですが、それが日々の生活をリフレッシュする良い機会となっていました。
繋がり過ぎた社会で、個人と仕事の境目も徐々に無くなりつつあるように感じる中、今思えばあれはあれで数時間の非日常であったのだろうと思います。たまには1人きりの環境で雑念をデトックスしつつ、心穏やかな1年にしたいと思います。

2分の1成人式 サスティナビリティマネジメントグループ/植松陽子
先日、10歳になる娘の小学校で2分の1成人式が行われ、子ども達が舞台の上で一人ずつ将来の夢を発表しました。デザイナー、パティシエ、野球選手、サッカー選手、ダンサー。焼肉屋という子もいました。自分の娘も含めて小さい頃から知っている子ども達の成長を感じる感動的な時間となりました。この子達が無事に夢を叶えられ、安心してそれぞれのハレの日を迎えられるような社会、地域になるように!そうできるように!それが私の根本にあるような気がしています。そのために、日々の仕事の中で、日々の生活の中で、ワークとライフをリンクさせながら、今年も精一杯、地域と共に取り組んでいきたいと思います。

ケのなかのハレ 地域再生デザイングループ/木下博貴
あけましておめでとうございます。さて、昨年のことではありますが、私の住まいのある愛知県で朝夕に冷気を感じ始め、木々が少し色づき始めたころ、秋田で農家を営む友人から、季節の便りをいただきました。赤と黄色の落ち葉を添えて。日頃、手書きの手紙をいただく機会が少ない私にとって、昨年うれしく感じたことの一つです。季節の移り変わりに敏感な農業を営む、彼だからかもしれませんが、季節を感じ、誰かに伝えられる、やさしい時間の使い方に、私までホッとさせていただきました。今年は、そんな友人を見習い、仕事でもプライベートでも、少しのゆとりと気遣いを忘れず邁進できればと思います。

「新たなスタート」を切る気持ちで サスティナビリティマネジメントグループ/駒和磨
自分のことではないですが、昨年一番の「ハレの日」は、友人の結婚式です。これまで、親族の結婚式には何度か出席していましたが、友人の中では結婚第1号でした。大学時代、サークル活動で切磋琢磨した間柄であったので、友人夫婦の「新たなスタート」をお祝いすることができてよかったです。また、来年度は、社会人として「新たなスタート」を切って3年目。仕事にも慣れつつ?、スタートした時のフレッシュな気持ちを忘れず、初志貫徹の精神で頑張りたいと思います。
昨年度から個人的な目標としてスタートしている「日本100高山制覇」。昨年は、石川県・岐阜県の白山(2,702m)しか登れなかったので、今年こそは時間を見つけ趣味にも没頭していきたいです。

「ハレ」がうまれるところ 地域再生デザイングループ/嶋崎雅嘉
「ハレ」の日とは、その人、その町にとって大切な「お祭り」「お祝い」の日です。例えば、誕生日はその人個人の記念日かもしれませんが、その「ハレの日」を祝ってくれる人、感謝する人がいます。「お祭り」に遊びに行くと単純に「わくわく」しますが、その祭りは多くの人たちが過去から脈々と受け継いできた「伝統」そのものだったりします。「ハレ」の日を祝うことで地域のお金がまわることもあります。「ハレ」とはそういった人や時の間を「つなぐ」ところに発生しているのだなと感じます。今年一年、そんな「つながり」を意識して「ハレ」を感じる場面に多く関わることができればいいなと思います。

ハレを取り戻す一年に 地域産業イノベーショングループ/高田剛司
「ハレ」と「ケ」の概念は、民俗学者の柳田國男によって唱えられたもので、日本人の生活リズムを表したものだと言われています。「日常」のケに対して、ハレは「非日常」として祭礼や年中行事などに特別感があったはずですが、自分自身の最近の正月を振り返ると、ハレ的な過ごし方がかなり薄れてしまいました。それは、便利な24時間365日営業のコンビニやショッピングセンターができ、ネット社会によって年中つながっている生活環境やライフスタイルにあるからかもしれません。
スマホを持たない、コンビニに行かない。今年はそういう日も作り、ハレの日を取り戻したいと思います。

10年の節目に 地域再生デザイングループ/戸田幸典
私事ですが昨年、結婚して10年を迎えました。地域社会との接点・貢献(PLUS SOCIAL)をテーマとしたウェディング。それからも常に暮らし方と働き方のテーマにしてきました。
偶然なのか必然なのか、この節目の年に妻の地元であり、大好きなまち「丹波市」のまちの未来と住民自治の支援に関わる仕事にどっぷり関わらせていただいています。
実は、「次の僕らの拠点は丹波かな〜」と思い、あちらこちらに「5年以内に移住する!」と宣言してから早2年。次の10年間でチャレンジしたいことは丹波から地域社会の未来をつくる仕事、働き方をつくること、でしょうか。

これからの「ハレ」に求められるもの サスティナビリティマネジメントグループ/長沢弘樹
正月や祭り等の「ハレ」から、祝祭感が薄れたと言われます。明治の頃からの指摘ですが、近年加速化しています。
私の関わる廃棄物分野では、イベントごみ削減のため、祭りで使う容器を紙コップからリユースカップに転換する流れがあります。これからの時代、祭りでごみ減量は当たり前ですが、それで祝祭感を喪失しては本末転倒です。
1つの解として、ドイツのクリスマス市のように、クリスマス柄のリユース陶器カップを利用し、祝祭感の維持とごみ減量の両立を目指す流れがあります。
期間の短い日本の祭りでは難しいのですが、これからの時代に即した「ハレ」対応はますます求められるでしょう。そうした取組にも関わっていこうと思います。

知らない人と祝うハッピーニューイヤー 建築プランニング・デザイングループ/塗師木伸介
ある年の大晦日夜、私はインドの夜行列車の中にいました。寝台にぼーっと寝転がっていると、周りの乗客が急に騒ぎ出しました。年が明けたようです。その時になって気づきましたが、私の周辺はみんな家族だったようで、家族同士手を取り合って祝っている輪の中に私も入れて貰いました。異国の地で知らない家族と一緒に過ごす年越しは不思議な感覚で、見知らぬ私を招き入れてくれる人の温かさを感じました。年末年始は自宅でゆっくりする派の私なのですが、いつもと違う行動をしたおかげで不思議な体験に巡り会うことが出来ました。
本年は”いつも通り”だけではなく、いつもと違った行動によって新たな人や体験に巡り会えるように日々チャレンジを忘れないように過ごしていきたいと思います。

万博再来 建築プランニング・デザイングループ/原田稔
2025年の国際博覧会の開催地が大阪に決定した。前回1970年の大阪万博は49年前、当時小学2年生の私にとって、近未来的なユニホームを着た金髪のコンパニオンや奇抜な形の建築は、まさに手塚治虫のアニメに登場する未来の姿で、ただただ興奮して一日中会場を歩き回ったことを今でも覚えている。恐らくあの万博で我々の世代はみな同じような体験をしたと思う。そしてその体験が私のように何かしら漠然と未来を創造する職業や研究に進むきっかけとなった人も多いと思う。
2025年大阪万博は私たちにどんな未来の姿を示してくれるのか、そしてそれを一番楽しみにしているのは実は我々70年万博世代かもしれない。

知らない町でヒントに巡り合う 地域産業イノベーショングループ/ホアン ゴック チャン
「晴耕雨読」の生活に憧れますが、どちらかと素直に読書することが少なく、出かける方が多いです。最近、新生活への旅立ちやディベート大会のピークタイムの日々からやっと抜け出して、「日本」のための時間を作れるようになりました。先日、福井県鯖江市・越前市で開催された「見て・知って・体験する、作り手たちとつながる体感型マーケット」のお話を伺い、休日に鯖江市で一人旅をしました。知らない町を巡り、街中に散らばっている特産品の眼鏡の姿を収集してみると、住民の街への愛情が伝わって心が和む。「町を持ってまちづくりをしているなぁ」という感想です。ハレの日に頑張れるよう、「休日」もリフレッシュしながらこうした新しいヒントをインプットできるような生活を維持できればと思います。

自分の時間も大切に! 総務部/前江田晴香
私は月に2回ほど書道のお稽古に通っています。習っているのは、「上代様」平安中期の和様の書です。一年半に一度社中展を開催しています。その特別な日に向けて沢山練習して・・・・というのが理想なのですが、現実にはなかなか家で筆を持つ事が出来ていません。お稽古日には数時間しっかり集中して書くことにしています。
家では家事に子育てにとバタバタ過ごす毎日です。我が家には1月で6歳になる娘がいます。保育園生活は5年間、やっと歩けるようになったころからお世話になり3月で卒園です。4月からは小学生。新たな世界に飛び込んでいく娘に寄り添いながら、私自身は、仕事はもちろん、色々なことへ質の向上を目指し邁進したいと思っています。

初心にかえる 都市・地域プランニンググループ/松下藍子
ハレのこともそうではないこともありますが、昨年1年で心に残っている出来事は、5月の韓国歴史的集落の視察、文化財関係の計画づくり(継続中)、資格取得の失敗、一昨年の仕事が新たな形でつながったこと、軍艦島と長崎の傾斜地を歩いたこと、10月の姉の結婚・・・。その他の嵐のように過ぎていく日々がほとんどですが、仕事では1~3年目はいろんなことをやりながら、5年目の現在は元々の関心を中心に戻ってきているような気がします。
探究心をもちながら、研究するように、地域に愛情のこもった計画づくりができたらと思います。初心に立ち返り、今年1年を過ごしたいと思います。

「意志が弱い自分にサヨナラ」 公共マネジメントグループ/丸井和彦
昨年末、今年こそは痩せると誓いを立て、様々な方法にトライするものの、むしろ体重はプラス傾向に。これではいかんと思い立って、先日、泉佐野市の犬鳴山・七宝龍寺へ行き、「修験道修行一日体験」を行ってきました。
「懺悔、懺悔」と唱えながら山道をえんえん登り、草木に足を取られながら下山。息をつく暇もなく、白装束で滝に打たれて身を清める約5時間のコース。膝はがくがく、ふくらはぎはパンパン、肩は上がらず、もうへとへと。
それでも修行後の気分は爽快で、終了後のビールのおいしさたるや、まさにユートピア。気分は爽快、晴れやかで、2019年こそはダイエットに勤しむんだという決意表明の日になりました。

「ハレ」を支える「ケ」でありたい。 地域産業イノベーショングループ/水野巧基
昨年は、妹の入籍、末っ子の妹の中学入学などのハレの日を経験しました。特に妹の入籍は感慨深いものでした。生まれ育った家を出るという点では、寂しい所もありますが、ハワイ語では「家」をhale(ハレ)と呼ぶように、明るい家庭を築いてもらいたいものです。
日本では「ハレ」に対して、日常の意味合いを持つ「ケ(裏)」の概念がありますが、ハレの日を迎えるには、日常(ケ)の努力が必要です。業務に置き換えて考えてみると、地域が「ハレ」の状態を迎えることができるようにお手伝いをする「ケ(裏)」の仕事だと感じています。多くの地域で「ハレ」が迎えられるように「ケ(裏)」として、この1年も精進していきたいと思います。

節目の年 総務部/柳井正義
今年は新天皇が即位される。
徳仁親王殿下と学年が一緒の同世代の小生にとって、29歳で皇太子となられてからこの年を迎えるまで30年は長かったのか短かったのか、なにやら感慨深い。陛下の生前退位について議論があったが、世間一般の感覚としては「人生最後まで現役」もいいが、「どこかで子や後進に道を譲り、その晴れ姿を自分の目で見るのが楽しみ」というのも親や先達の自然な気持ちとして理解できる。しかるに、当人にすれば「晴れ舞台といっても通過点に過ぎない。大事なのはこの先だ。」と考えているかもしれない。さて小生は今年で還暦となり2巡目に入る。RPGなら2巡目は違う楽しみ方もあるが、どうなることやら。

次なる12年に向けた1年目 都市・地域プランニンググループ/山﨑将也
年がバレますが、干支の5巡目を迎えました。4巡目の12年は、東日本大震災とその復興支援への従事、アルパックへの転職など、個人的に大きな出来事がありました。5巡目にもなると健康にも気遣うようになり、なるべく歩く機会を増やすようにしています。どちらかと言えばハレよりケの街並みや人々の活動、営みを眺めるのが好きで、元気をもらったり、現在の自分の立ち位置や少し先を見据えて何をなすべきかを考える時間としても活用しています。
次なる12年を実り多いものとするため、まず今年は考えたものを積極的に行動に移していく1年にしたいと思います。

たのしくつづける 建築プランニング・デザイングループ/山崎博央
先日、息子(中2)の晴れ姿を見てきました。ゲームにしか興味のない息子に何か打ち込めるものを、と3年ほど前から始めたエレキギター。ドラムを習っている友だちと一緒にバンド形式での発表会です。始めた当初はあまり興味も示さず練習もしなかったのですが、最近では課題曲だけでなくネットで気になる曲の弾き方を研究するなど、上手くなるごとに楽しくなってきているのが見てとれます。そんな中での発表会。なかなかの出来映え(親目線)で、自己評価も及第点のご様子。継続は力なり、を感じた1日でした。振り返って、簡単なことでもなかなか続けられない性格の私。今年は「つづける」を意識して日々励みたいと思います。とりあえず、早起きから始めよう。

原点回帰 地域産業イノベーショングループ/山部健介
「ハレ」と聞くと、「祭り」のイメージを持ちます。人のにぎわい、鮮やかな色彩、色々なものが入り混じった匂い・・・上手く表現できませんが、そうした雰囲気が大好きです。先日、休日の神戸・中華街を散策してきましたが、かつて、アジアの某都市で体験した「旧正月」のにぎわいを思い出しました。にぎやかさの押売りのような、でも不思議と元気をもらい、好奇心を掻き立てられるような、あの感覚がたまりません。ここ最近は、そんな感覚になることもあまりなかったように感じます。難しいことは考えずに、常に心はオープンで正直に、色々な「刺激」をもらいたいと思います。原点回帰。

公民連携の先進地「紫波町オガールプロジェクト」を学ぶ 地域再生デザイングループ/山道未貴
天気はハレではなかったものの、岩手県紫波町で開催された「公民連携まちづくり塾」に参加してきました。紫波町では、JR紫波中央駅の町有地10.7haを、民間のノウハウを活用し図書館や新庁舎、多目的スポーツ施設などを整備した公民連携のまちづくりを進めています。まちづくり塾では、現地視察やレクチャーを受けながら、自分たちのまちの課題を整理し、リノベーションまちづくりの実践計画を3日間かけてじっくりと取り組みました。
来年度も引き続き、描いたビジョンが実現できるようアクションを仕掛けながら、多様なプレイヤーを巻き込み、まちの魅力を上げていきたいと思います。

センス・オブ・ワンダー 都市・地域プランニンググループ/依藤光代
こどもたちが2歳と4歳になります。家の近所に大きな樹の茂る緑地があり、親子で集い遊ぶ活動があり、我が家も参加しています。レイチェル・カーソンが著書「センス・オブ・ワンダー」の中で、自然に触れることで培われる「神秘さや不思議さに目を見はる感性」の重要性を説いています。森の中の葉や虫などの身近な不思議に興味を持ち、その環境をじっくり見つめることは、こどもにとって「学び」そのものです。そして素養として身に付けば、自然だけでなくより広い世界に視線が向けられていく可能性を感じます。例えば、都市の美しい「ハレのまちなみ」に向けられるように。こどもと共に新鮮な目で世界を見て、一緒に成長していければと思います。

自分でつくる「ハレの日」 公共マネジメントグループ/渡邊美穂
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
私の「ハレの日」はピアノの演奏会の日です。演奏は10分弱。一瞬で終わりますが、曲は1年を費やしてやっとのことでなんとか仕上げているため、演奏後は1年のおわりとはじまりを感じます。暦や季節行事の「ハレの日」とは違った自分でつくる「ハレの日」です。このような「ハレの日」を感じられるのは、今は年に1日だけです。ただ自分の心持ちでつくれるものだと思います。数年後にもう1日つくれるように、今年をはじめの年にしたいです。

アルパック所員一同・レターズアルパック編集委員会

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