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248号(2024年11月号)今、こんな仕事をしています

小さな村の新しい庁舎


今回、ご紹介させていただく上北山村は奈良県の東南地域に位置し、東に大台ケ原、西に大峰山脈を配する大自然に抱かれた谷合の小さな山村です。私たちは今、そんな小さな村の老朽化した庁舎の再整備に向けての支援をしています。

 今回、ご紹介させていただく上北山村は奈良県の東南地域に位置し、東に大台ケ原、西に大峰山脈を配する大自然に抱かれた谷合の小さな山村です。
 私たちは今、そんな小さな村の老朽化した庁舎の再整備に向けての支援をしています。都会では、併設された広場やホールでの華やかなイベントや住民活動の発表などをアピールした、キラキラした新しい庁舎が一つの潮流になりつつありますが、人口420人余りで高齢化率50パーセントを超える村にそんなキラキラを持ち込むことは悩ましく…。そんなモヤモヤの中、山梨県の丹波山村に新しく建設された村役場庁舎を視察しました。

1階ロビー

1階ロビー

 丹波山村は人口が500人余りの山村で、97パーセントが山林と言う上北山村と似た条件にある村です。新しい庁舎は各課が1階にまとめられ、業務カウンターの前が広いロビーとなっており、2階には絵本を中心とした図書コーナーやフリースペース、会議室が配置され、休日も村民に開放されています。また、この庁舎には議場が無く、2階の大会議室が兼用されている点も特徴的です。案内の職員の方のお話によると、平日も休日も親子連れが遊びに来たり、学生さんが勉強したり、バス待ちの人が井戸端会議されたり、村民の新たな居場所となっているようで、休日は職員2名が常駐されているもののセキュリティラインも無く、小さな村ならではの村民同士の信頼関係の中で心地よく過ごせる空間となっていました。お話の中で「業務中聞こえる子どもの声が癒しになるし、職員の会話も穏やかになった」と言っておられたことも印象的でした。

2階フリースペース

2階フリースペース

建築プランニング・デザイングループ 原田稔

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