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248号(2024年11月号)特集「ごちゃまぜ」

不思議なデジャブ感


地方都市の市街地を車で走っていると携帯ショップ、ファストフードなどどこでも見かける店舗の看板が立ち並び、まちの風景はどこも同じ。スッキリして見えるかもしれないけどまるで金太郎あめみたいで面白くない。地域特有の文化や歴史があるはずでそれが感じられない。

 地方都市の市街地を車で走っていると携帯ショップ、ファストフードなどどこでも見かける店舗の看板が立ち並び、まちの風景はどこも同じ。スッキリして見えるかもしれないけどまるで金太郎あめみたいで面白くない。地域特有の文化や歴史があるはずでそれが感じられない。
 さて、7年ほど前から年に2回は友達とフェリーで釜山旅行に行っている。船中2泊現地1泊という行程で現地には丸一日滞在という強行軍だ。お隣の国には、日本の統治時代の近代建築がいくつか残っていたり、庶民の識字率の普及を目指したハングルの誕生やその後の歴史など個人的には学ぶことがとても多い。
 いまだにハングルが分からない私だけど、年々スマホのアプリが進化してきて、会話の翻訳や画像による文字変換機能のおかげで快適な旅を楽しめている。回を重ねるにつけ観光地は行きつくし、ここ数年は釜山港に着岸後、真っ先に地元の漁港や商店街に向かう。



 市場には、いろんな店舗、食材、におい、色彩、ハングル文字、たくさんの人と会話がごったがえす。ものすごいエネルギーを感じる。そして、これらが入り混じったごちゃまぜ感がたまらなく楽しい。迷路のような路地に入ったり、どこを歩いてもワクワクする。
 アプリを駆使して対面販売のお店で食材などの質問、値段の交渉をしたり、食堂では日本ではあまり見かけない食材がごちゃまぜに入った鍋に箸をつつく。いろんな魅力が満載だ。そして、異国にいるのに不思議なデジャブ感。そうそう子どもの頃はどこの商店街もごちゃまぜの活気があったはず。なんだかとても懐かしい。
 これから冬の味覚が美味しい季節。釜山が私を呼んでいる。そろそろ旅に出よう。

企画政策推進室 中村孝子

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