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242号(2023年11月号)今、こんな仕事をしています

困難女性支援法に基づく基本計画づくりが進んでいます


2022年5月に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が成立し、都道府県では今年度、基本計画を定めることになっています。当グループでは、愛知県ならびに静岡県による、基本計画の検討のための調査業務を受託しています。

 2022年5月に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が成立し、都道府県では今年度、基本計画を定めることになっています。
 当グループでは、愛知県ならびに静岡県による、基本計画の検討のための調査業務を受託しています。
 愛知県では9月25日に、女性の支援を行う民間等活動団体の参加を得て、ワークショップ形式の会議を開催し、我々はそのファシリテーションを行いました。まずは、当事者である「困難を抱える女性」を主語として、支援メニューを認知する、選択する、相談する、支援を受け始める・・・という、支援のステップの全体像を共有しました。その後、各団体の活動がステップのどこをカバーしているのかを整理し、地域内の支援活動を「見える化」しました。さらに女性支援の課題はどこにあるのか、どう乗り越えられるのか、意見を出し合いました。
 現場の声の一部をご紹介します。女性の困難は複合的で、最初は生活困窮としての相談があっても、DVを受けているのではないかという現状がだんだん明らかになってくる。じっくり話を聞きながら多様な困難を紐解き、すでに受けている支援、まだ支援を受けていない問題を整理して、今後の支援の優先順位を一緒に考えていくことが、場当たり的にならないために重要。どの支援制度につなぐかを考える際に、公的制度も民間による支援も関係なくあらゆる可能性を視野に入れるのは、民間団体だからこそやれることなので、これからも民間団体がアセスメントをやっていくために、行政からのサポートが欲しいという声もありました。
 また、例えばDV被害者だと、加害者から「逃げる」というのは、親類や友人関係などこれまで築いてきた一切の環境を離れるということを伴う、とても勇気の必要なこと。決断までは時間がかかるのは当たり前で、本人が決めるまで、相談支援を通して粘り強く寄り添い続けることが重要だ、という言葉が印象的でした。尊厳を大きく傷つけられてしまったからこそ、支援や安心できる人間関係のなかで時間をかけて回復していくことが大切です。
 活発に意見が出て、時間が足りないほどでした。地域の支援団体の情報交換のためのネットワークが求められていることが分かりました。
※2023年4月に、育休から復帰しました。今後ともよろしくお願いします。



ソーシャル・イノベーティブデザイングループ 依藤光代

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