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242号(2023年11月号)特集「シェア」

シェアと所有のバランス


私は、日常的にタイムズカーシェアやループを使っております。終電が無くなれば、ループを使って自宅の近くまで移動することが可能ですし、シェアサービスを使うことで日々の生活を快適に過ごすことができています。

 私は、日常的にタイムズカーシェアやループを使っております。終電が無くなれば、ループを使って自宅の近くまで移動することが可能ですし、シェアサービスを使うことで日々の生活を快適に過ごすことができています。
 「シェア」という言葉は、現代社会において特別な重要性を持つようになりました。私たちは日常的に「カーシェア」や「シェアサイクル」といった用語を耳にし、様々なシェアサービスの仕組みに触れる機会が増えています。これらのサービスは、〝何か〟を所有することなく不特定多数の誰かと〝何か〟をシェアすることで、利便性とコスト効率を提供しています。また、シェアサービスによって、都市内における〝何か〟の数量は、サービス事業生産性を考えると、最小公倍数的に収められているので、無駄なものをできるだけ排除するという点で、地球環境にも良いし、都市の持続可能性を高める役割を果たしていると考えています。
 しかし、所有の喜びという基本的な人間の欲求に目を向けることも、同じくらい重要と考えています。
 例えば、車の所有は、これまでも多くの人にとって特別な意味を持っています。シェアサービスが今のように普及する以前、例えば私の父親の世代であれば、車を持っていることが1つの明確なステータスを表すものであったようです。対して私の世代は、車離れが社会で騒がれるように、車の所有に対する興味関心の程度が変化してきたように感じています。しかし、誰もが少年時代にスーパーカーに乗りたいと一度は、思ったはずです。道路を轟音とともに走り去るウラカンに憧れを持ったはずです。私の夢は、その頃から焦ることなくマクラーレンに乗ることです(笑)。この夢あふれる所有欲は、人間の基本的な欲求として捨ててはならないと考えています。車は単なる移動手段を超えて、個人の夢やステータスの象徴、憧れや人の喜びを表すものではないでしょうか。
 このように、シェアと所有は、現代社会における私たちの行動に大きな影響を与えています。両者は相反するように捉えてしまうのではなく、自身のライフスタイルや価値観に基づき、これらの選択肢をバランス良く活用することが求められるのではないでしょうか。

生成AIが描くシェアサービスが充実した社会

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都市再生・マネジメントグループ 芳田知紀

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