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Letters arpakラグビーと都市計画
今年はラグビー・ワールドカップの年でした。「都市計画の仕事は、ラグビーに似たり」といったヒトがいました。サッカーや野球と同じ〝チームプレー〟です。プレヤーには役割分担があります。
今年はラグビー・ワールドカップの年でした。
「都市計画の仕事は、ラグビーに似たり」といったヒトがいました。サッカーや野球と同じ〝チームプレー〟です。プレヤーには役割分担があります。
再開発コーディネーターの試験では「何をしましたか?」と聞かれます。権利変換計画ですか、テナント折衝ですかという具合に。これは「コーディネーター」という職能の中での役割分担です。再開発事業すべてで見ると、公共団体施行で、〝権利変換〟を伴う「第一種市街地再開発事業」の場合、元々の地権者と〝保留床〟を買った地権者が「ワンチーム」というわけです。コーディネーターは、事業主体から委嘱を受けた職能者で、その立場と権限でもって「ワンチーム」に加わります。
ところで、「都市」を造るのには、設計から工事まで、「時間」が掛かることを勘定に入れておかねばなりません。
京都の山科駅前の場合、4棟の建築と道路などの建設に3年以上掛かりました。八百屋さんや魚屋さんたちは、公園予定地に仮設店舗を造りました。その名は「ポンテリカ山科」。ここで、新しい建築で商売するトレーニングをしようというわけです。「ワンチーム」のリーダーは喫茶店の奥村さん。今も、A棟の南一階に喫茶店オクムラは健在です。もう一つ、大事なことがあります。染色工芸家・黒竹節人さんは、A棟のあたりに工房をもっておられました。木造ですが、広い。事業計画を左右します。
選択肢は三つ。現在地に残り権利床を得る、近辺に代替物件を得る、事業主体に売却し地区外へ移転する(この場合、不動産売買に伴う税金は免除)。黒竹さんは第三を選択されました。これがコーディネーター最初のお勤め。現在地にはおられませんが、黒竹さんは、事業成功の第一の功労者、「ワンチーム」の一員です。
※ポンテリカ=仮店舗からネーミング
名誉会長 三輪泰司
242号(2023年11月号)の他記事
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