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240号(2023年7月号)今、こんな仕事をしています

ニュータウンの戸建住宅の未来


ニュータウンの戸建住宅って少子高齢化の象徴だと思われていますが・・・
全国各地のニュータウンでは、急激な少子高齢化が課題として挙げられており、賃貸住宅に比べて人口の入れ替わりが起こりにくい戸建住宅はそのやり玉にあがりやすい存在と言えるでしょう。

 ニュータウンの戸建住宅って少子高齢化の象徴だと思われていますが・・・
 全国各地のニュータウンでは、急激な少子高齢化が課題として挙げられており、賃貸住宅に比べて人口の入れ替わりが起こりにくい戸建住宅はそのやり玉にあがりやすい存在と言えるでしょう。
 生活デザイングループでは、今年度、洛西ニュータウン(京都市西京区)の既存住宅の流通を促進するための方策を考える業務を受託しています。
 業務をはじめるにあたって、「実際人口ってどんな感じなの?」ということをはっきりさせるため、洛西ニュータウン内で戸建住宅(テラスハウス含む)のみで構成されている街区を抽出して人口等の推移を確認したところ、意外なデータが出ました。グラフは5年毎の統計調査で変化する同世代の分布を重ね合わせたものです。
 もちろん、全体的に人口は減少しているのですが、近年は住宅購入する30~40代は概ね下げ止まり、19歳以下の人口はむしろ増えているのです。

戸建住宅地の年代別人口構成の変化

戸建住宅地の年代別人口構成の変化


 ニュータウンはまちびらき当初の「子育て世帯でいっぱい」がみんなの頭にあるので、「最近は子どもが少ない・・・」となりがちですが、ニュータウンでも第1世代からの入れ替わりが徐々に発生しているのです。
 一方で、高齢世帯も多く残っていることも事実です。あと10年ほどで、住宅が大量に供給される時期が来ると想定されます。世帯数も減少する(空き家がもっと増える)社会に突入する中では、むやみに住宅総数を増やさないまちづくりのあり方が求められます。
 既存住宅を含めて、多様な住宅の選択肢を住宅取得層に示す方法を年度の後半に向けて考えていきたいと思います。

生活デザイングループ 竹内和巳

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