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240号(2023年7月号)今、こんな仕事をしています

自然のちからを活かした地域づくりへ~グリーンインフラの市民・事業者向けパンフレット(案)を作成しました


「グリーンインフラ」とは、自然環境が有する多様な機能を社会基盤整備の中で活用していこうとする考え方を示す言葉です。

 「グリーンインフラ」とは、自然環境が有する多様な機能を社会基盤整備の中で活用していこうとする考え方を示す言葉です。
 例えば、水害を防ぐ遊水地、暴風を弱める防災林、ヒートアイランド化を防ぐ屋上緑化などはグリーンインフラの一要素と言えます。
 かつては人口増加や経済の拡大に伴い、緑を増やすことや守ることが重視されてきましたが、持続可能な社会を目指す方向に転換する中で、緑が持つ多様な機能に着目し、それをいかに活用していくかを重視する方向へシフトしつつあります。近年は災害の激甚化や地球環境問題の深刻化、地域コミュニティ機能の低下などへの解決策としてグリーンインフラへの期待が高まりつつあります。

■市民とともに取り組む緑のまちづくりに向けて
 名古屋市では、これまでもグリーンインフラの取組を進めていますが、なお一層の取り組みの推進に向けて広報用のパンフレットを作成することになりました。
 パンフレット(案)では、グリーンインフラを身近なものと感じてもらえるようイラストや写真を多用しながら自然が持つ多様なはたらきを例示するとともに、これまで市内で取り組んで来た事例や市民、事業者向けの取り組みを紹介する内容を盛り込みました。
 グリーンインフラは、その地域の地形や地質、気候などの条件に対応して多機能性を根差したものとしていくことが求められますし、その機能を継続させるためには維持管理も重要です。また、緑の連続性を考えると公共用地だけでなく民地でも取り組んでいくことが望まれます。
 地域の特性に応じたグリーンインフラの実現に向けては、いかに多様な主体が関わりながら進めていくかがポイントの一つになるのではないかと考えます。その意味で今回作成したパンフレット(案)がグリーンインフラの普及に向けた一助になれば幸いです。

都市・地域プランニンググループ 石川聡史

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