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240号(2023年7月号)特集探検

農産物直売所をめぐる


農村地域を訪ねる機会が多い私は、時間が許せば農産物直売所に立ち寄り、その地域の農業を知るヒントにしています。

 農村地域を訪ねる機会が多い私は、時間が許せば農産物直売所に立ち寄り、その地域の農業を知るヒントにしています。
 きっかけは10年程前の徳島県の業務でした。県内直売所の魅力アップを図るため、状況調査などで大小さまざまな直売所をまわりました。出荷ルールをはじめ、売り方やイベントの工夫、地域資源との連携方法など、多くの学びがありました。
 直売所の魅力は、やはり、「旬の、いまここにしかないもの」に出会えることだと思います。季節はもちろん、朝と夕方では並んでいるものも違います。規格が統一されているスーパーとは違って、1つとして同じでない農産物が並んでいます。1つ1つの棚を見ながら、掘り出しものを見つけることは、まさに「探検」です。
 はじめに、店内の入口に注目します。入口の売場は、「直売所の第一印象が決まる場所」とも言われています。いまの旬や、季節の果物がこれでもかと並べられていると期待が高まります。そんな直売所のイチオシを押さえつつ、いまここにしかない1品を探し、店内をまわります。
 具体的には、見慣れない、めずらしい野菜(品種)を探します。その地域で大事に守られてきた伝統野菜はもちろん、変わり種のなす、スティックセニョール(茎ブロッコリー)、トマトでいえばプチぷよ(さくらんぼのような食感)なんてあると思わず買ってしまいます。他にも、レシピ紹介など工夫したり頑張っている生産者の野菜を買ってみたり、加工品であれば、6次化商品をはじめ、漬物や発酵食品など、ご当地ならではの食文化に触れることも楽しみの1つです。
 直売所は店舗型だけではありません。3年前に農業振興計画の策定で関わった東京都東村山市では、生産者の庭先や畑の一角に設置された「庭先直売所」が100か所以上あります。市民のニーズも高く、計画では重点プロジェクトとして位置づけ、庭先直売所のブラッシュアップを図っています。畑で買えることが魅力であり、庭先直売所(と都市農地)をめぐることもオススメです。

東村山市農産物直売所めぐりマップ

東村山市農産物直売所めぐりマップ

地域産業イノベーショングループ 武藤健司

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