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Letters arpakウズベキ探検
「乙嫁語り」という漫画を知っていますか。18~19世紀の中央アジアのお嫁さんについて描いた物語です。イギリスからの探検家スミスが中央アジアの暮らしを記録・研究するためある一家を訪れ、そこでの暮らしが温かに描かれています。
「乙嫁語り」という漫画を知っていますか。18~19世紀の中央アジアのお嫁さんについて描いた物語です。イギリスからの探検家スミスが中央アジアの暮らしを記録・研究するためある一家を訪れ、そこでの暮らしが温かに描かれています。
この物語をきっかけに、私も中央アジアを目指してウズベキスタンへ探検に行ってきました。ウズベキスタンは旧ソ連にあたり、ウズベク人、タジク人、ロシア人などによる多民族国家です。
未知なる場所の探検には危険がつきもので、まずウズベキスタンではほとんど英語が通じませんし、列車は定刻には来ず、早く着いたら早く出発します。街や人々の熱気、しぶとさが特徴的で、こちらも気を張らないとやってられません。寝台列車で7時間ほど移動した際には相席した現地人グループにずっと話しかけられたり、断っているのに案内してやるよと言われ一日車でガイドされたりと、現地の人の好奇心にやられてしまいます。人々の熱気やしぶとさを最大限に感じられる場がバザール(市場)です。その規模、活気はけた違いで、あるバザールでは「人間以外何でも売っている」と言われているほどです。
未知なるウズベキスタンの伝統的なまちなみは、質素ながら手の凝った玄関のファサード、中庭を平屋が囲っており(カスバ・ホートン型)、中庭には畑と家畜小屋があります。
一方、ユダヤ人居住区では平屋が2階建てに代わり、敷地も大きくなります。道はほとんど未舗装ですが、ウズベキスタンの『お嫁さん』が早朝にお掃除します。ウズベキスタンは「家族」の結びつきが非常に強く、お嫁さんの仕事は人一倍あり、ナンパは「家族」の写真を見せるところから始まります。
異文化探検を通じて風土や文化に規定された自らの気質に気づきます。ウズベキスタンの風土で暮らすと性格ががらりと変わるんじゃないかと思うほどの熱気とバイタリティーがまちに溢れています。
ソーシャル・イノベーティブデザイングループ 筈谷友紀子
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