レターズアルパック
Letters arpak236号(2022年11月号)特集「器」
器のまちで新しい味に出会う
木々の葉が赤く色づいてきた頃、栃木県の益子町に行きました。城内坂通りという益子のメインストリートがあり、沿道に陶器の販売店や飲食店、ギャラリーなどが並んでいます。窯元は一軒一軒、個性豊かで、見て回るだけで面白いものでした。
木々の葉が赤く色づいてきた頃、栃木県の益子町に行きました。
城内坂通りという益子のメインストリートがあり、沿道に陶器の販売店や飲食店、ギャラリーなどが並んでいます。窯元は一軒一軒、個性豊かで、見て回るだけで面白いものでした。
特段、陶器に造詣が深い訳ではないので、基本的には見るだけで楽しんでしまい、あまり買って帰ることがなかったのですが、今回は違いました。ある窯元で出会った器の謳い文句に目が留まりました。
「ビールがびっくりするほどおいしくなります」
愚かにもジョッキかグラスでしかビールを飲んだことのない私には、理解ができませんでした。目を引かれていると、店番の奥様が解説してくださいました。
益子焼の特徴として、陶土に気泡を多く含むそうです。その気泡による細かな凹凸によってビールの泡がなめらかになる、ということだそう。
帰ってからいざ実践。なんと。缶で飲むのとは全然違う、クリーミーな味わいになりました。器によってこんなに口当たりが変わるとは驚きでした。
作品として見るだけでなく、それを使って食事するところまで楽しめる。見るだけだった自分から少し大人になった気分です。陶土の特徴が活かされるというのも面白いです。まだ見ぬ器を求めて、他の産地へも行ってみたいと思います。
生活デザイングループグループ 太田雅己
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