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236号(2022年11月号)特集「器」

特集「器」


深山に分け入ってとち、ぶな、けやきなどから椀や盆などの木地をつくる人を木地師といいます。木地師がつくった木地は漆器として仕上げられますが、漆器は日本の伝統的な工芸でもあります。

 深山に分け入ってとち、ぶな、けやきなどから椀や盆などの木地をつくる人を木地師といいます(※)。木地師がつくった木地は漆器として仕上げられますが、漆器は日本の伝統的な工芸でもあります。木地師は轆轤をつかって木地をつくるので、丸い形のものが基本です。陶器もそうです。
 日本には古田織部の茶器のような破格の美という価値観もありますが、「器」という字が左右対称であるように、多くは均整のとれた美が尊ばれてきました。「器」で画像検索してみると、角形のものや楕円形のものももちろんありますが、陶器も漆器も圧倒的に円形のものが多いです。
 器にはいれものという意味以外にも、道具や才能などの意味もあります。これらは人が使うものや人に備わるもので、いずれも人との関係が強いものです。ダ・ビンチは人体の比率から黄金比を見出しました。人には本来「均整」が宿っているのでしょうか。
 今回のテーマは「器」としました。執筆者の「均整」をお楽しみください。
※アルパックは東近江市の木地師文化の発信に関わっています(レターズアルパックVOL.234参照)。

レターズアルパック編集委員会

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