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234号(2022年7月号)今、こんな仕事をしています

宍道湖の畔で、これからの土地利用制度を考える


2005年に当時の宍道町と合併したことで松江市には松江圏と宍道の2つの都市計画区域が併存しています。

 2005年に当時の宍道町と合併したことで松江市には松江圏と宍道の2つの都市計画区域が併存しています。
 隣接している区域であり1つの都市圏なので本来は統合すべきなのですが、前者が市街化区域と市街化調整区域の区域区分(いわゆる線引き)を導入しているのに対し、後者は線引きを行わない非線引き区域で、どちらかに統一しないと統合ができません。線引きの是非については賛否あって過去から継続的に議論が重ねられてきていますが、結論には至っていません。今回、私たちは松江市の土地利用制度のあり方について検討する業務を受託することになりました。線引きを廃止するのかしないのか、フラットな立場で検討を進めるものです。
 そもそも線引き制度は、高度経済成長期の大都市圏における急激な開発需要の増大に対応するために導入されたものです。検討を始めるにあたり、制度創設当時の宅地審議会での議論なども改めて調べています。市の担当者には、毎回の打ち合わせの際に土地利用制度などについての勉強会的な時間をとることを提案しました。

宍道湖に沈む夕陽

宍道湖に沈む夕陽


 松江市のような地方の中核都市において、これからの都市構造やそれを担保する土地利用制度はどうあるべきなのか。国が旗を振るコンパクト・プラス・ネットワークの考え方を単純にあてはめるだけで済まないことは明らかです。都市計画法よりも少し先を見ながらのクリティカルなデザインアプローチが求められます。全国には参考になる取組の事例もいくつか出始めているようです。まだはじまったばかりの業務ですが、タイミングをみてまたご報告します。

ソーシャル・イノベーティブデザイングループ 坂井信行

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