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Letters arpak第24回適塾路地奥サロン「誰一人孤立させない「みんなの劇場」とは何か~社会包摂型劇場を目指す丸亀市の挑戦~」をオンライン開催しました。
6月26日の回は、丸亀市産業文化部文化課市民会館建設準備室長の村尾剛志氏をお招きしました。全国で劇場の建て替えや大規模改修が進む中、劇場法(平成24年)や改正・文化芸術基本法(平成29年)等により、劇場は文化芸術を鑑賞する役割だけでなく、賑わいや交流の創出、社会包摂や地域活性化の拠点としての役割が期待されています。
6月26日の回は、丸亀市産業文化部文化課市民会館建設準備室長の村尾剛志氏をお招きしました。
全国で劇場の建て替えや大規模改修が進む中、劇場法(平成24年)や改正・文化芸術基本法(平成29年)等により、劇場は文化芸術を鑑賞する役割だけでなく、賑わいや交流の創出、社会包摂や地域活性化の拠点としての役割が期待されています。
こうした中、丸亀市では基本構想段階から社会包摂型の『みんなの劇場』を目指し、劇場整備に取り組んでいます。他市にはない特徴として、①更生施設や児童養護施設、就労支援施設等で市民座談会(車座集会)を2年間で177回(1,210人)開催する等、市民の潜在的ニーズを丁寧に把握していること、②潜在的ニーズにあった事業運営のため、空間設計と同時並行で組織体制や人材育成、また社会的インパクト評価マネジメントに着手していることが挙げられます。
文化行政をめぐる内部環境や外部環境は、どの自治体も大きな違いがない中、丸亀市ではなぜ「社会包摂型劇場」整備に踏み切ることができたのか。その疑問に対し、村尾氏は『大義』の存在を説明しました。市長マニフェストや議会要望、文化団体を中心とした署名や市民アンケート、また採算性や経済効果は果たして大義になり得るかを考えた時、これらはウォンツ(要望)であり、ニーズ(必要性)ではないのではないか。また劇場建設が目的となっており、劇場を手段として何をするかが描かれていないのではないか。税金を投入する新たな劇場が市民(=みんな)に還元される大義を改めて問い直した結果が丸亀市の取り組みにつながっています。
今回はコロナ禍ということで初めてオンラインで開催しましたが、サロンやその後の交流会ともに盛り上がりました。「(仮称)みんなの劇場」の2024年開館(予定)が今から待ち遠しいですね。
適塾路地奥サロン実行委員会 江藤慎介
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