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222号(2020年7月号)今、こんな仕事をしています

愛知県で食品ロスの実態調査を行いました


昨年度愛知県で家庭から排出される食品ロスの実態調査を行いました。食品ロスとは、本来食べられるものにも関わらず捨てられてしまう食べ物で、家庭から発生する食品ロスは、大きく、「食べ残し」「直接廃棄」「過剰切除」の3つに分類されます。

 昨年度愛知県で家庭から排出される食品ロスの実態調査を行いました。
 食品ロスとは、本来食べられるものにも関わらず捨てられてしまう食べ物で、家庭から発生する食品ロスは、大きく、「食べ残し」「直接廃棄」「過剰切除」の3つに分類されます。「過剰切除」とは、厚くむき過ぎた野菜の皮など、不可食部分を除去する際に過剰に除去された可食部分のことです。国では、食品ロスの調査のマニュアルを作成していますが、「過剰切除」については、その判断基準が示されておらず、調理くず(食品ロスには該当しない食品廃棄物)に分類してもよい、とされています。
 愛知県の調査では、国の方でも明確な基準の示されていない過剰切除についても、分類することになりました。そこで、調査現場では調理師の方に参加いただき、判断を仰ぎながら、今までごみの組成調査で培った知見を合わせて過剰切除の分類を行いました。
 調査の結果、「過剰切除」は冬季(調査は夏季と冬季の2季に実施しました)が多いことがわかりました。これは、冬季は鍋が多く、葉物野菜がよく使われ、外側の方の葉が捨てられることが多いためと考えられます。
 また、直接廃棄については、100パーセント未満、すなわち既に封を開けてしまったものは期限が切れていなくても捨てられる割合が高いことが分かりました。封を開けてしまった食品は、早めに食べるように指示があるので、期限前でも捨ててしまうためと考えられます。このように、普段の日常生活ではあまり気に留めないちょっとした行動からも食品ロスが発生していることが分かりました。
 今年度は、コロナウィルス感染拡大やステイホームの影響で、テイクアウトが増えたり、7月からレジ袋が有料化されたりしました。新しい生活様式や制度を反映して、人々の行動にも大きな変化がありました。その影響は、ごみの量やその組成にも現れます。そのため、今年度の組成調査(岐阜県では食品ロスとプラスチックの調査、大阪市と木津川市では家庭系ごみの調査を実施予定)は、どのような影響が出るのか、興味深いです。

食品ロスの写真

過剰切除

過剰切除

直接廃棄

直接廃棄

食べ残し

食べ残し

 

伊藤栄俊:サスティナビリティマネジメントグループ

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