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222号(2020年7月号)特集「山」

山に溶け込むお菓子屋さん


山をテーマに思いついたのは、先日訪れた「ラ コリーナ近江八幡」です。藤森照信氏が設計した和・洋菓子ショップ兼本社は、山のような形をした草屋根のメインショップの他に、不思議な形をした銅屋根の本社や複数のショップ、カフェが隣接しています。

 山をテーマに思いついたのは、先日訪れた「ラ コリーナ近江八幡」です。
 藤森照信氏が設計した和・洋菓子ショップ兼本社は、山のような形をした草屋根のメインショップの他に、不思議な形をした銅屋根の本社や複数のショップ、カフェが隣接しています。私が訪れた時は、草屋根の草もまばらでしたが、8月頃にはフサフサになるそうです。

ラコリーナメインショップ

ラコリーナメインショップ

 メインショップの天井や壁には、お店のコンセプトである「あり」をイメージして、炭片が貼られています。炭片を一つ一つランダムに貼り付け、凸凹をつくることで消音効果が得られるそうです。集合体が苦手な人には少しゾワっとする内装かも知れませんが、遠目に見るとアリが群がっているようでかわいい模様です。
 メインショップを抜けると、中庭のような「田んぼ」が表れます。ここでは、従業員や地元の大学生が田植えや稲刈りを行っているそうです。田んぼを取り囲むように伸びる草屋根の回廊にはベンチがあり、中庭を眺めながらくつろいでいる様子が見られました。訪れた時は、梅雨の中休みで晴天となり、周辺の里山と梅雨で残ったしずくと相まって、きらきらとした緑豊かな空間が広がっていました。
 ここ最近は、緊急事態宣言の発行により在宅ワークに切り替え自宅で過ごす日々が続き、外出と言えば時々近くのスーパーに行く程度だったため、悶々とした日々を過ごしておりました。緊急事態宣言の解除に伴い、新型コロナの予防策を講じながらの外出でしたが、緑豊かな自然の中でお菓子を楽しむことができ、久しぶりにリフレッシュできた休日でした。新型コロナが収束した暁には、羽を伸ばして遠出したいものですね。

中庭と草屋根の回廊

中庭と草屋根の回廊

山道未貴:地域再生デザイングループ

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