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221号(2020年5月号)今、こんな仕事をしています

芸術文化事業のロジックモデルワークショップ ~新しい気づきの機会に~


芸術文化事業の成果をどのように評価するかは難しい問題です。多くの人が芸術文化の価値を認識していながらも曖昧で評価がしづらいとして、これまで計画の外にあるものとされてきた経緯があるように思います。

 芸術文化事業の成果をどのように評価するかは難しい問題です。多くの人が芸術文化の価値を認識していながらも曖昧で評価がしづらいとして、これまで計画の外にあるものとされてきた経緯があるように思います。
 そんな中、近年ロジックモデルを用いたアウトカム(社会インパクト)評価が注目されています。
 ロジックモデルとは、事業全体を、関わる人(ステークホルダー)、活動(インプット)、活動結果(アウトプット)、社会的な変化・影響(アウトカム)等を用いて整理し、論理的な構造として示した、事業の設計図のようなものです。芸術文化のように価値が多様で曖昧さがあるものこそ、論理的にその事業の価値を定義することで、様々な主体と目的を共有し意思疎通を図っていくことが大事であるとされています。
 今回は、「大阪府市の芸術文化における補助金 ・助成金等に関する調査」に関する業務の一環で、Artmingleの熊谷薫さんのサポートのもと、ロジックモデルを作成するワークショップを行いました。参加者は芸術文化行政に関わる大阪府市の職員、大阪アーツカウンシルの芸術文化の専門家で構成され、異なる立場のもと様々な意見が飛び交いました。ロジックモデルをベースにしたことで、発散することなく議論が進み、取組に対して相互の理解にずれがあったことに気づいたり、新しい価値を見出したりといった成果がありました。
 日々の業務の中で、「今何のためにこれをやってたっけ?」という場面はよくあります。事業が目指す本当の目的はあくまでも「アウトカム」であり「アウトプット」ではないということを再確認する機会となりました。※この業務は都市・地域プランニンググループの坂井信行も担当しております。

ロジックモデルワークショップの様子

ロジックモデルワークショップの様子

 

稲垣和哉 都市・地域プランニンググループ

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