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221号(2020年5月号)今、こんな仕事をしています

滋賀県発 物流効率化に向けたプラットフォームづくり


平成30年度から滋賀県における物流効率化に向けたプラットフォームづくりをサポートさせて頂いています。

 平成30年度から滋賀県における物流効率化に向けたプラットフォームづくりをサポートさせて頂いています。
 物流業界を取り巻く現状として、近年はドライバーの不足や高齢化が深刻化しています。一方で、ネット通販などEコマース市場の急成長にともない、「多頻度小口配送」が増加したことで、効率的にモノを運ぶことが難しくなっています。例えば、10キログラムの荷物について、段ボール1個で1回に運ぶ場合と、10個に分けて10回で運ぶ場合を考えると、後者の方は効率的な運送が難しくなり、トラックの荷台にも空きスペース等が生じてしまいます。その結果、繁忙期にはトラックが足りない(=モノが運べない)といった事態も生じることがあります。今後、業界全体でのさらなるドライバー不足や高齢化が進むことが予想されるため、物流効率化に関連するITツールやアイデアが多く生み出されているのが現状です。
 上記は一般消費者の例ですが、企業にとっては、いつでも安心してモノを運ぶことができることは、事業を行う上で重要な要素です。滋賀県には多くのモノづくり企業が立地しており、物流事業者と協力しながら、安定した物流環境を整備することで、企業の競争力強化や新たな魅力の創造にもつながります。こうしたことから、滋賀県では平成29年に「滋賀のモノづくりを支える物流研究会」を組成し、物流課題の分析や基本戦略の方向性を検討するとともに、平成30年度からは、荷主企業や物流事業者などで構成される「物流効率化プラットフォーム」を立ち上げ、県内の様々な関係者を巻き込みながら、物流効率化に向けた運送スキームの構築を進めています。
 物流分野における行政と民間による官民連携プラットフォームは、全国的にも新しい取組であり、今後の展開にも大いに期待されます。

山部健介 地域産業イノベーショングループ

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