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221号(2020年5月号)今、こんな仕事をしています

続・寺院境内の保育園を段階的に整備する新乳児棟が完成


京都市三条京阪にあるだん王保育園での段階的整備について、レターズ212号でご紹介しましたが、今春、0、1歳児のための新乳児棟が完成しました。本園舎と離れていた乳児たちの生活の場が本園舎の近くに移り、保育園としての一体感が強まっています。

 京都市三条京阪にあるだん王保育園での段階的整備について、レターズ212号でご紹介しましたが、今春、0、1歳児のための新乳児棟が完成しました。
 本園舎と離れていた乳児たちの生活の場が本園舎の近くに移り、保育園としての一体感が強まっています。
 新乳児棟の整備場所については様々なパターンを検討し、境内から保育園への門のすぐ横、いわば園の顔となる場所になりました。まず以前に建っていた観音堂の配置や佇まいを継承したいと考えました。また本堂とほぼ隣接する位置となるため、本堂の存在感を妨げない外観、一方で生活の中では本堂を自然と意識できる園舎が良いのではと考えました。

アースカラーの外観

アースカラーの外観

 新乳児棟の建物は2階建の切妻屋根の形状です。鉄骨造とし、基礎工事を低減、スパンを飛ばす一方、柱を一般的なコラムでなくH型鋼として平面上の制約を抑えた工夫をしています。
 1階に0歳児、2階に1歳児の保育室を設けたシンプルな構成です。西側は隣家及び西日に配慮し窓を最小限とする一方、東側は本堂の大屋根を普段から意識できる大きな窓を開けています。幼児たちが遊ぶ園庭に面しては、乳児も覗ける円窓を低い位置に設けており、お互いが意識する関係が生まれています。室内は、昼寝や食事、遊び等使い方で空間を建具で仕切れるようにしています。
 保育園の整備は今後、本園舎との接続部分を検討していく予定です。直近では、元の乳児棟部分を改修し、児童館移転の検討を始めています。一歩一歩変わっていくだん王保育園、お手伝いは続く予定です。

窓からは本堂(工事中)と園庭が見えます

窓からは本堂(工事中)と園庭が見えます

三浦健史 建築プランニング・デザイングループ

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