レターズアルパック
Letters arpak「守れる農地」と「守り切れない農地」
写真は奈良県明日香村にある稲渕の棚田です。奈良県景観資産として登録されており、日本の棚田百選にも選ばれています。棚田全体が見渡せる展望台に立つと、「いま見ている農村風景は、100年前、200年前と大きくは変わっていないのでは」という感覚になり、多くの人の営みや関わりによって紡がれてきたことが想像できます。
写真は奈良県明日香村にある稲渕の棚田です。奈良県景観資産として登録されており、日本の棚田百選にも選ばれています。棚田全体が見渡せる展望台に立つと、「いま見ている農村風景は、100年前、200年前と大きくは変わっていないのでは」という感覚になり、多くの人の営みや関わりによって紡がれてきたことが想像できます。
しかしながら、1筆1筆をみると耕作されていない農地、林地化が進む農地などがあり、全国各地で問題となっています。国においても、これまでの農業生産の維持・向上政策(例:基盤整備、就農支援、スマート農業)だけでなく、粗放的な土地利用(例:放牧、景観作物、エネルギー栽培)、農業生産の再開が容易な土地利用(例:鳥獣緩衝帯、ビオトープ)の検討や支援策などが講じられていますが、現在の担い手だけでは農地を使い切れない(守り切れない)状況です。

明日香村で紡がれてきた棚田の農村
景観。一部には荒れた農地も見られます。
仕事でお伺いする地域においても、この状況は共通していますが、取り組んでいるテーマは様々です。草刈り作業の人材確保&体制構築、集落単位での農業の在り方の検討と試行(=地域計画の推進)、企業、福祉事業者、関係人口などの多様な担い手の参画、農村RMOを中心とした施策立案、直売所を拠点としたDX推進などなど。課題解消に向けては、自助・共助・公助の役割分担を意識し、複数のアプローチが求められています。

2025年のジャンボ案山子は、ミャクミャク
30回目を迎えた明日香村の「稲渕棚田案山子(かかし)祭り」。毎年、工夫を凝らした案山子が、期間限定で展示されています。 農村の景観も、こうした多様な担い手で支えられ、ミャクミャクと受け継がれていることが伺えます。
地域産業イノベーショングループ 武藤健司
252号(2026年1月号)の他記事
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