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Letters arpak全国伝統的建造物群保存地区協議会 総会・研修会に参加
7月3日(木)・4日(金)の2日間にわたり、京都市で全国伝統的建造物群保存地区協議会(以下「伝建協」)の総会・研修会が開催されました。
伝建協は、文化庁の選定を受けた全国129地区の重要伝統的建造物群保存地区を有する106市町村で構成されており、総会・研修会は、町並み保存に携わる自治体職員や地域住民が情報共有や意見交換を行う場として、毎年開催されています。
― 伝建地区の持続的なまちづくりとは? ―
7月3日(木)・4日(金)の2日間にわたり、京都市で全国伝統的建造物群保存地区協議会(以下「伝建協」)の総会・研修会が開催されました。
伝建協は、文化庁の選定を受けた全国129地区の重要伝統的建造物群保存地区を有する106市町村で構成されており、総会・研修会は、町並み保存に携わる自治体職員や地域住民が情報共有や意見交換を行う場として、毎年開催されています。
私は、丹波篠山市の重伝建地区(篠山及び福住)において、町並み景観保全協力建築士として活動している関係から、同建築士のメンバー並びに地域住民で構成されるまちなみ保存会の役員さんとともに参加してきました。
初日は、「伝建地区の50年これまでとこれから」というテーマで、大阪市立住まいのミュージアム増井正哉館長(京都大学・奈良女子大学名誉教授)による記念講演、そして、伝建制度創設から50年の節目の年ということで、一番初め(昭和51年)に重伝建地区に選定された7地区(仙北市角館・南木曽町妻籠宿・白川村荻町・京都市祇園新橋・京都市産寧坂・萩市堀内地区・萩市平安古地区)の首長が登壇し、それぞれの地域で積み重ねてきた取り組みや、これからのまちづくりの展望について語られました。長い年月の中で、行政と住民が協力しながら地域の価値を守り続けてきた姿勢に、改めて制度の重みと意義を感じる内容でした。
2日目は、現地視察として、右京区に位置する嵯峨鳥居本のまち歩きを行いました。嵯峨鳥居本は、愛宕山のふもとに広がる門前町で、江戸時代には愛宕参詣の宿場町として栄えました。茅葺きや瓦葺きの民家が街道沿いに連なり、山裾の自然と調和した景観を今に伝える農村的な風情が特徴で、昭和54年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
午後からは、文化庁主催の記念シンポジウムも行われ、國學院大學下間久美子教授による基調講演ののち、前日の5市町村7地区の住民組織の代表者が実践を紹介しました。特に、防火体制の強化や住民と連携した防災訓練の重要性など、今後の地域運営に活かせる多くの学びがありました。

嵯峨鳥居本のまちなみ(瓦葺きの町家風民家)
制度が半世紀を迎えた今、次の50年を見据え、地域資産をいかに受け継ぎ、活かしていくかが問われています。各地区の熱意と実践を参考に、住民と行政が一体となった持続的なまちづくりのあり方を改めて考える貴重な機会となりました。
建築プランニング・デザイングループ 和田裕介
一級建築士。
丹波篠山市篠山・福住伝統的建造物群保存地区における町並み景観保全協力建築士として、重伝建地区選定時から地区のまちづくりに携わる。
252号(2026年1月号)の他記事
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