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Letters arpak市民・事業者・団体等と 一緒に創っていく貝塚市らしい景観
貝塚市は、大阪府南部・泉州地域に位置する人口約8.4万人の都市で、かつて「ちぬの海」と呼ばれた大阪湾に面し、海、平地、丘陵地、山間地と多様な地形を有しています。
貝塚市は、大阪府南部・泉州地域に位置する人口約8.4万人の都市で、かつて「ちぬの海」と呼ばれた大阪湾に面し、海、平地、丘陵地、山間地と多様な地形を有しています。大阪府における貴重な自然海浜である二色の浜や、ブナ林(国指定天然記念物)などの自然生態系が保全されている和泉葛城山系、市内を縦貫して流れる近木川など、豊かな自然環境に恵まれる中、奈良時代の創建と伝わる水間寺や中世の自治都市であった寺内町などの歴史的資源とともに、太鼓台やだんじり祭などの伝統行事に代表される独自の文化を継承してきました。
都市発展の歴史としては、戦後から高度成長期にかけて、鉄道・道路等の交通基盤の整備が進み、大阪都市圏の郊外都市として住宅地開発・工場立地が進みました。急激な都市化が進む中で、古いまちは姿を消し新しいまちが生み出されていきましたが、それが「まちの発展だ」として歓迎されました。そして、「景観とは歴史的なもので、現代のまちや暮らしには景観はない」といった認識が知らず知らずのうちに広まってしまったように思います。
景観法の趣旨に照らすと若干残念な状況の中、貝塚市景観計画を策定することとなりました。寺内町や街道筋の町並み、社寺、祭り等の重厚な歴史的資源を保存・継承することはもちろんのこと、重視したのは、「貝塚市には歴史以外にも、もっとたくさんの魅力的な景観がいっぱいある」ことを伝えること、そして「身近なまちの普段の景観を良くする」ことです。景観計画策定の趣旨として、「良好な景観は、私たちの暮らしに安らぎや潤いを与え、地域への愛着や誇りを育むとともに、まちの魅力向上、それに伴う交流人口の増加や賑わい創出、地域の活性化へと導くものである」ことを謳い、大阪府基準よりも強化・充実した景観形成基準を導入しました。さらに、景観アドバイザー制度により設計者の創意工夫を引き出すことや、今後、景観まちづくり活動を促進していくことなどを意図しています。また、市が景観形成の先導役となるべく、公共施設の景観ガイドラインを導入しているのも注目されます。
景観計画の策定後は、寺内町など貝塚市の景観のイメージリーダーを先頭に、古民家のリノベーションや景観整備、街を愉しむ活動の展開など、地域の皆さんが主体となって取組が推進されることが期待されています。貝塚市らしい景観資源の保全活用とともに、新たな景観資源が市民とともに生み出させていくことを期待しています。是非、貝塚市を訪れてみて下さい。
岡本 壮平
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