レターズアルパック
Letters arpak過去に思いを馳せることと、生活の記録を残すこと
研修旅行で軍艦島へ。
9月の末、都市・地域プランニンググループで長崎へ研修旅行に行ってきました。今回の旅のメインは,みなさんご存知の「軍艦島」です。
研修旅行で軍艦島へ
9月の末、都市・地域プランニンググループで長崎へ研修旅行に行ってきました。今回の旅のメインは、みなさんご存知の「軍艦島」です。研修に先立ち、長年軍艦島の調査・研究をされていた片寄俊秀先生からレクチャーを受け、一同万全の状態で長崎へ向かいました。
過去へ思いを馳せることの難しさ
当日、島を案内してくださったのは、元島民の方でした。当時の生活の様子や、観光地化されていくふるさとへの思いを熱く語っておられたのが印象的でした。
同じ空間に立ち、語りに耳を傾け、かつての生活が記録された写真や目の前に広がる廃墟を手掛かりに、当時の生活に思いを馳せました。正直なところ、遠い出来事のように感じられ、なかなか実感を持つことは出来ませんでした。しかし、過去へ思いを馳せ,その場所を理解しようとするその時間はとても大事なものだと思います。
日々の生活の記録を残すこと
話は少し変わりますが,私は日々,自分の生活の記録をとっています。いわゆる「セルフ・トラッキング」と呼ばれるもので、何を記録するかは人によって異なり、その種類も多岐にわたります。私はその1つとして、GPSロガーを常に携帯し、移動の記録を残しています(今年で6年目になります)。
その記録はただの数字の羅列でしかありませんが、振り返り、思い出したらそれは思い出に変わります。いつか振り返るため、思い出すために日々記録を残しています。
軍艦島での軌跡
今回の移動の記録を振り返ってみると、1本1本の軌跡を手掛かりに、その時の会話や風景を思い出すことが出来ます。そのような自分の記録を通して、改めて軍艦島を見ると、あの遠く感じたことも、不思議と身近なものに感じられます。
いかに自分事として消化していくか、自分と他人の思い出に接点を見出していくか、それが場所への理解を深めていくのだと思いました。
都市・地域プランニンググループ/稲垣和哉
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