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212号(2018年11月号)今、こんな仕事をしています

犬山城下町での駐車場シェアへの取り組み


愛知県犬山市において総務省シェアリングエコノミーのモデル地区として低未利用地有効活用よる観光地での渋滞解消に取り組んでいます。

 愛知県犬山市において総務省シェアリングエコノミーのモデル地区として低未利用地有効活用よる観光地での渋滞解消に取り組んでいます。
 現在、犬山市は、県内有数の観光地として賑わいをみせています。明治村を始め民間鉄道会社の観光施設が立地していますが、中心部の城下町地区の賑わいはここ10年程のことです。「歴まち」「景観」などの政策とTMOの店舗誘致、民間連携による成果ですが、その一方で土日の道路渋滞がさらに増しています。その対策としてシェアリングエコノミーにより駐車場を確保し、渋滞解消に役立てようとしたのがこのモデル事業です。
 「シェアリングエコノミー」は、「空間」「モノ」「移動」「スキル」「お金」など「活用可能な資産等をネット上でマッチングし他の人にも利用可能とする経済活動」と定義しています。今年度は15団体が対象です。
 犬山市は、今回、事業者や個人の駐車場、未利用地を来訪者に開放・活用していこうとしています。仕組みは、市観光協会が中間組織としてコーディネートやPR・研修を行い、土地所有者と利用者のネット上のマッチングは軒先株式会社が行うことになっています。土地所有者はスペース提供のみで利用料金が入るほか、軒先株式会社、市観光協会も歩合収入を得るモデルです。利用者は事前予約が可能で、キャッシュレスのクレジットカード決済となり、駐車場探しの交通が回避されます。これは同時に身元保証にもなり、相互に安心感をもたらします。

犬山城下町風景(犬山市提供)

犬山城下町風景(犬山市提供)

 

シェアリングエコノミーのイメージ

シェアリングエコノミーのイメージ

 

 しかし、室町後期の町割が残る犬山では土地の所有形態が複雑で、利用への所有者間合意も容易ではありません。公的支援による信頼確保、住宅地内への進入抵抗、近隣関係等配慮事項も多くあります。シェアリングエコノミー伝道師の石崎方規氏のコーディネートのもと、私たちは需要・ニーズ整理、とりまとめをお手伝いしています。
 シェアリングエコノミーは、駐車場のほか自転車、車、スキル等々、今後様々な面で活用が広がる可能性を持ちますが、地域住民の意識変化、税制など、追いついていくべき要素も残されているようです。

名古屋事務所/安藤謙

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