レターズアルパック

Letters arpak
   
212号(2018年11月号)今、こんな仕事をしています

京都市動物園では今。


京都市動物園は明治36年に上野動物園に次いで全国で2番目の動物園として開園しました。

 京都市動物園は明治36年に上野動物園に次いで全国で2番目の動物園として開園しました。
 平成20年に京都大学と「野生動物の保全に関する教育・研究を行う連携協定」を締結。平成21年からは新たな魅力づくりのための再整備が進められ、平成25年には、園内に「生き物・学び・研究センター」が設置され、平成27年には学術研究・環境教育機関が併設された新たな都市型動物園としてグランドオープンを迎えています。現在、アルパックでは、これからの京都市動物園の指針となる、新たな「京都市動物園構想」の策定支援と残されたサル島及び類人猿舎の再整備計画に関わっています。
 ところで、「環境エンリッチメント」という言葉をきいたことがありますか?聞き慣れない言葉ですが、今、動物園の運営にとって最も大切とされていることの一つです。「本来の生息地とは異なる環境で暮らす」野生動物たち。彼らにとって動物園は、狭くて変化が無く退屈な場所になりがちです。そこで、こうした飼育環境を少しでも豊かで充実したものにしようという試みが「環境エンリッチメント」です。
 京都市動物園でも再整備により、コンクリート張りのグラウンドを土に替え、緑を増やし、自然に近い環境を創出すると共に、遊びや勉強、餌のやり方など、動物たちが退屈しない飼育環境となるように様々な工夫がなされています。また、自然に近い環境の中で生き生きと暮らす動物たちの姿を見てもらい、それにより環境や種の保存の重要性に関心を持ってもらうこと。動物園の役割も大きく変わってきています。そして今回の計画では、対象となるチンパンジーやマンドリルの知性が高く、感情や個性を人間と同じように表現することから、それぞれの個体の特性をできるだけ自然な姿で見てもらえるように、その個性が発揮できる飼育環境の整備をめざしています。
 みなさんも一度、身近な動物園に足を運んでみてはいかがでしょうか、子どもの時とは違った新たな発見がきっとあるはずです。

 

タッチパネルで数字の勉強中。チンパンジーも勉強より遊びの方が楽しいようです。

建築プランニング・デザイングループ/原田稔

212号(2018年11月号)の他記事

バックナンバーをみる

タグで検索

ページトップへ