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212号(2018年11月号)特集「アート」

最高の芸術―人を生かす家訓・社訓


我が家には、明治の初めに成文化された「家訓」が伝わっています。
その第三条は「家の子は宝、慈しみ育むべし」といいます。

 我が家には、明治の初めに成文化された「家訓」が伝わっています。
 その第三条は「家の子は宝、慈しみ育むべし」といいます。
 昔、祖父に「家の子ってなに?」と聞きました。子どもたちだけでなく、番頭・丁稚、別家(元従業員)、取引先全部だそうです。
 祖父は味噌屋のアルジですが、学務委員(今のPTA委員?)も勤めて、「人を育てるのは、最高の芸術や」と言っていました。実際、「夜学」と称して丁稚たちに読み書きソロバンから論語まで教えていました。
 家訓や社訓は憲法と同じで、子弟や社員を縛るのではなく、アルジや経営者が何をすべきかを示す心得なのです。トップは何をせんといかんか、自分で見つけ、身をもって範を示すことやというのです。
では「育てられる方の心得は」と聞きました。「高い山ほど裾野は広い。富士山を見てみなさい」。十代・二十代は一合目・二合目、裾野にはいろんな登り道がある。好きなことをやれ。失敗しても誰かが援けてくれる。三十代・四十代は六合目・八合目。だんだん狭まってくる。可能性が減ってくる。自分で責任とらんといかんようになる。頂上になると、なんと、全く違っていた道が繋がってくる。富士山には、九回登ってみました。
 とは言っても憲法も家訓も、言うは易しく行うは難し。  ”不断の努力 “   が必要です。
 わが家には「家訓」を想い起こす実体があります。毎朝、祖父母の隠居からもらってきた織部灯籠に灯明をあげるのです。
 アルパックの経営者として何をすべきか。「社訓」のつもりにしてきたのは、中小企業家同友会のホームページにある「労使見解」です。経営者・労働者の葛藤を超えて到達した「人を生かす経営」の思想です。

 

祖父母の隠居からもらってきた織部灯籠

祖父母の隠居からもらってきた織部灯籠

名誉会長/三輪泰司

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