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2026.09.07

【京都事務所】9月度技術交流会を開催しました

株式会社地域計画建築研究所(略称:アルパック)では、専門知識を持つ所員が事例を交えつつ知見を共有し合う「技術交流会」を、各事務所で定期的に開催しています。
都市デザイン、住宅、産業、環境、文化、建築設計等、多岐にわたるテーマについて知見を共有し、活発な質疑と議論を交わすことで、社員一人ひとりの専門性を高め合い組織全体の連携強化を図る場としてとして位置づけています。

9月に京都事務所で開催した内容は、下記の3テーマです。
各業務・テーマにご興味・ご関心をお持ちの方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
これからも持続可能な地域づくりへの貢献に向け、所員一同、専門性を磨きながら、連携を密にして取り組んでまいります。

                        ー記ー

1)「板橋区『ユネスコ創造都市ネットワーク(デザイン分野)』加盟申請に向けた取り組み」

地域産業イノベーショングループ 豊福 宏光


 イタリア・ボローニャ市との40年以上にわたる絵本を通じた交流や区内に集積する印刷・製本産業。板橋区が持つこの独自の資源を土台に、ユネスコ創造都市ネットワークデザイン分野での加盟を目指す支援業務について報告した。
 ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)には8つの創造分野が存在するが、有識者懇談会を経て、「絵本のまち板橋」は「デザイン」分野での申請とした。令和8年度は、いたばし絵本とデザインフェスティバルの開催や国内外の有識者や専門家が絵本とデザインに関する研究成果を共有し議論した板橋区絵本・デザイン都市問題国際研究会議の開催、国内外のデザイン分野加盟都市のゲストを招いたシンポジウム等の開催等の支援業務を実施し加盟申請に向けて準備を進めている。
 加盟のメリットは、加盟都市間で担当者同士のつながりができ、創造的なまちづくりのヒントを共有可能であり人的交流・情報の共有によって、グローバルな課題に触れ、解決策を学ぶ機会が得られる国内外の都市との連携・交流の強化や地域の魅力発信・ブランディングの強化、市民の地域への愛着・誇りの醸成である。
 アルパックが業務支援する役割としては、「創造都市ネットワーク日本(CCNJ)」事務局としての様々なネットワークや文化芸術分野の業務経験の知見を活かすことできる点が、大きな強みと考えている。

 

2)「神戸市 樹林葬墓地の計画と実施」

生活デザイングループ 竹内 和巳


 多死社会の到来と、従来型の墓石ニーズの減少、埋葬方式の多様化。こうした社会変化に応え、神戸市の既存の森林公園に重ねる形で整備された「樹林葬墓地」の基本構想・計画・実施設計業務について報告した。 
 整備コンセプトは自然志向のオルタナティブに応える土に還る循環型の墓地。人工物で囲った箱に埋蔵する合葬墓とは異なり、粉骨した遺骨を土と直接混ぜて埋蔵し、20〜30年で自然の山林へと還元する仕組みを採用した。納骨まで穴の形状を保つための方法も開発し、理念を実現した。2026年6月に初めて募集したところ、当初想定した60区画に対し申し込みが1,000人を超えるなど、潜在ニーズの高さが改めて可視化された。
 質疑では、一般的な樹木葬との違い、公営墓地として新たな選択肢を提示する必要性などが議論された。社会の変化に応える新たな墓地のあり方を模索する実験的施策として、自治体が主導する価値が共有された。

樹林葬墓地

 

3)「文化芸術政策における事業評価とロジックモデルの構築」

地域産業ノベーショングループ 石川 俊博


 文化芸術政策においては、国際芸術祭や地域芸術祭のような形で、社会的に先鋭的なテーマを扱う現代アートに多額の公費を投じられることがあり、それは何故なのかが問題となることがある。この問いに客観的・論理的に応える事業評価とロジックモデル構築業務について報告した。
 インプット(予算・資材)からアクション、アウトプット(来場者数、プログラム数等)などを経て、最終アウトカム(目指すまちの姿実現、市民のウェルビーイング向上)までの因果関係について構造化を行った事例を紹介。そのうえで、RCT(ランダム化比較試験)の全面適用が予算・時間面で困難な現実を踏まえ、アンケートや有識者インタビュー等を組み合わせて論理を補強したことを示した。
 また、アンケート調査事例も紹介し、結果について学術的に詳細な検討を行う場合においては、分析・報告まで2年を要したことを踏まえ、予算・契約期間の制約条件がある中で、どこまでの検討が可能かについて意見交換を行った。質疑では、創造都市論が抱えるジェントリフィケーション(富裕化・地価高騰問題)の課題、地域芸術祭と都市型芸術祭の違い、文化芸術推進法が定める対象範囲(アニメ・マンガ・ヒップホップ等)まで議論が広がり、文化政策評価の困難さについて共有された。


以上

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