お知らせ

News
2026.08.25

【京都事務所】8月度技術交流会を開催しました

株式会社地域計画建築研究所(略称:アルパック)では、専門知識を持つ所員が事例を交えつつ知見を共有し合う「技術交流会」を、各事務所で定期的に開催しています。
都市デザイン、住宅、産業、環境、文化、建築設計等、多岐にわたるテーマについて知見を共有し、活発な質疑と議論を交わすことで、社員一人ひとりの専門性を高め合い組織全体の連携強化を図る場としてとして位置づけています。

8月に京都事務所で開催した内容は、下記の3テーマです。
各業務・テーマにご興味・ご関心をお持ちの方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
これからも持続可能な地域づくりへの貢献に向け、所員一同、専門性を磨きながら、連携を密にして取り組んでまいります。

 

                        ー記ー

1)「Park-PFIを活用した民間事業者誘致事業について」

生活デザイングループ 髙瀬 咲(たかせ さき)

 滋賀県草津市「草津川跡地公園」の未整備区間(区間6)におけるPark-PFI(公募設置管理制度)を活用した公園整備事業を事例として、民間事業者の参入を促すための事業条件の設定や、公募に至るまでの検討プロセスについて紹介した。
 草津川跡地公園では、区間2・5が既に供用されており、当社はこれらの区間についても整備や管理運営の検討に関する支援を行ってきた。今回区間6では、新たにPark-PFI制度を活用して民間事業者を誘致することとなり、当社がスキーム検討から民間事業者の公募までの支援を担当している。
 区間6では、新たに整備する公園の一部にPark-PFIを導入するとともに、既に供用されている区間とは異なる事業者が新たに整備・運営に参画することから、公園全体としての一体性を確保しながら、それぞれの役割分担や管理区分を整理することが重要な検討課題となった。
 また、既存の公園整備計画・設計との整合を図りつつ、公共空間として求める機能やサービスと、民間事業としての成立性をどのように両立させるかも重要なポイントとなった。このため、民間事業者との対話等を通じて事業への参入可能性や条件を確認しながら、公募対象となる施設や事業範囲、管理運営条件等の検討を進めた。
 報告では、こうした事業条件を組み立てる際の考え方を共有するとともに、既存指定管理者と新たに参入する事業者との役割分担、公園施設の管理運営、収益施設と公共施設との関係など、Park-PFIを活用した公園整備において検討すべき事項について意見交換を行った。

選定された事業者の提案による区間6の整備イメージ(草津市ホームページより)

 

2)「CLTを活用した施設設計と技術向上の取り組み」

建築プランニング・デザイングループ 新開 夏織(しんかい かおり)

 令和8年3月に神戸市浜中町に竣工した特別養護老人ホーム「花みさきⅢ」の事例が紹介され、CLTを用いた耐火木造施設の設計プロセスや技術検証の取り組みについて説明があった。
 本施設は、床にCLTを用いた耐火木造3階建てで、1階に障害福祉サービス事業所とショートステイ、2階に2ユニットの特別養護老人ホームを配置している。
 設計では、事業主である社会福祉法人とともにCLT工場や実例建物、障害福祉施設等の視察を実施し、実際の空間や使われ方を確認した。そこで得たイメージをもとに、1階には地域ともつながれる談話スペースを設けるなど、施主と設計者が実例をともに見て考え、目指す空間像をすり合わせながら、一緒に施設をつくっていくプロセスを大切にしていた。
 また、林野庁の「CLT活用建築物等実証事業」を活用し、事業主、意匠・構造設計者、施工者、メーカー、研究機関等による設計実証協議会を開催した。構造計画上の課題整理や技術検証を行い、CLTに関する知見の蓄積・技術向上を図った。その一環として、異なる床仕上げ材による床衝撃音の実測試験も実施し、CLT床の音環境を実体験するとともに、仕上げによる違いも確認した。
 質疑では、CLTの特徴や採用メリットについても意見交換され、今後のCLT活用の可能性を考える機会となった。




3)「関西地域における高度外国人材受入の現状と課題」

地域産業イノベーショングループ 山部 健介(やまべ けんすけ)
  日本全体における生産年齢人口の減少という構造的課題に対し、関西地域の中小企業等がどのように高度外国人材の受け入れを進めているか、その実態と今後の政策的論点について紹介した。また、今回の報告では今後受入の拡大が見込まれる3か国人材(インドネシア・ミャンマー・ネパール)に焦点を当てて報告を行った。
 各種データをもとにすると、インドネシア・ミャンマー・ネパールなど国籍によって留学生・技能実習・大卒ホワイトワーカーといった属性差が見られる中、特に30〜100人規模の中小企業では、将来の事業責任者候補として高度人材への期待が急速に高まっている。一方、中小企業側ではビザ申請ノウハウの不足や、採用後の生活支援・地域定着支援といった、企業単独では対応しきれない実務的課題も浮き彫りとなっている。
 社内での意見交換では、そもそも「高度な技能」とは学歴や資格といった形式的な基準のみで捉えるべきものか、それとも実務経験や日本語能力、地域への適応力まで含めて評価すべきかという、定義そのものに対する声が上がった。あわせて、受け入れる地域側の体制、すなわち生活支援や多文化共生の仕組みをどこまで企業が担うべきかについても意見が交わされた。こうした論点は高度外国人材に限らず外国人材の活用全般に共通するものであり、政策的にも議論や解釈が一様ではない。生産年齢人口の減少が進む中、外国人材の受入れをどう制度化し地域に根付かせるかは、関西はもとより、この国の未来の在り方を考える上でも重要な政策テーマになりつつある。
 当社のようにあらゆる側面での地域づくりやまちづくりに関わる主体にとって避けては通れないテーマであり、社内的にも継続的に議論していく内容であることが再確認された。


以上

ページトップへ