講演録

Lecture
第22回 適塾路地奥サロン

世界の観光都市は オーバーツーリズムに どう立ち向かっているか

講師:阿部大輔 龍谷大学政策学部政策学科教授・ バルセロナ自治大学客員研究員

日時:2020年3月6日(金)18:30~
場所:アルパック大阪事務所 大会議室

 観光都市であるバルセロナ、ヴェネチア、アムステルダム、ベルリンなどのオーバーツーリズムの現状と最新の対応施策についてご講演いただきました。
 コロナウイルスが流行する前の日本では、京都などの観光地で、人の混雑について度々報道されていましたが、オーバーツーリズム現象による大きな影響は、人の混雑ではなく、街の業種業態が観光客向けに大きく変換することだとご説明いただきました。
 具体的には、地域の老舗店舗や生活に密着した店の多くがドラッグストアやチェーン店となり、市場機能が立ち食い機能に変換されることや、物価や地価の上昇により生活居住者が減少することなどが挙げられます。
 関西でも、あらゆる観光地や城下町でレンタル着物店、ドラッグストアなどインバウンド客向けの商店が増えてきていると実感していたので、改めて国内の観光地の危うさを感じました。また、事例としてお話しいただいた「fairbnb」という地域の宿泊事業で得た利益の一部を地域のまちづくり活動に循環するシステムが国内でも広がりをみせる日も近いかもしれません。

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