INTERVIEW小川 直史

地域再生デザイングループ
平成31年度入社

インタビュー中、ずっと笑顔で、快活に話を聞かせてくれた小川氏が、とくに楽しそうに語った話題が「地ビールの製造」についてだ。滋賀県東近江市に開設された滋賀営業所を拠点に地ビール製造・販売を通した地域交流の構想を練っていて、試作の準備を進めているという。ビールを作るコンサル会社。従来の発想にとらわれないアルパックらしい話だ。

地域再生の計画を作り、
実行まで支援するチーム。

地域再生デザイングループの中で、私が所属しているのは主に事業づくりを担当する地域プロデュースチームです。地域再生に向けたビジョンづくりや計画に基づく事業構想、さらには実際の事業実施までを支援することが主な業務です。例えば、地域の食材を使うレストランを公園に整備したり、歴史ある建築物をイベントスペースとして有効活用するなど、公民連携による集客施設整備や集客拠点化等の事業を支援・コーディネートしています。

いまはまだ入社2年目でいろんな方に教えていただきながら仕事をしています。アルパックでは、他チームやグループと連携して業務にあたることも多く、同じチームの先輩だけでなく、他チームの先輩からも仕事の進め方や異なる専門分野の仕事内容を教えていただくこともあります。またアルパックにはメンター制度がありまして、私には3年先輩の大阪事務所の先輩についていただいています。頻繁に会うわけではありませんが、なにか困っていることはないかと声をかけていただいたときは、仕事の相談や先輩の経験談、今担当されている面白い仕事について、お酒を酌み交わしながら聞かせていただいています。

どの先輩もそうですが、日本の地域をよくしようという思いが強い会社だなと感じます。コンサルタントと聞くとスマートなイメージを持っていましたが、アルパックの社員は、何度も地域に足を運び、いい提案をするために侃々諤々と議論を戦わすなど、泥臭いところがある会社です。粘り強く地域と対峙していく姿勢は、自分に合っていると感じます。

まちづくりの学び方を
研究した学生時代。

学生時代は“まちづくり”の学習プロセスをテーマに研究しました。全国にまちづくりをしている人はたくさんいますが、そういう人たちはどうやってまちづくりを学んだのか。それが研究の出発点でした。算数の知識やピアノの技術のように教えられてできるものだろうか。何のためにまちづくり活動を行うのか、どのように活動を実現させるのかといった根本的なことからスタートして、研究を進めるうちに、まちづくりに取り組む人たちは、その地域の良さ・成り立ち、地域に住んでいる人の思い、先行事例の研究など、さまざまな事柄を往還しながら、まちづくりを学んでいく様子がわかりました。

学生時代の経験が生きた仕事があります。市民や行政と一緒に、街の中の空き地や使われてないスペースを活用して、賑わいづくりに向けた取組みを社会実験として行うプロジェクトです。私が担当したチームは、地域の道路空間を活用して、子どもやお年寄りが気軽に立ち寄れたり、居心地よく過ごせる空間づくりがテーマでした。まちづくりはさまざまなことを勘案する必要があり、参加する市民の方々も、その負担のためにまちづくりから離れていってしまうことがあります。私は、こちらからあれこれ提案するのではなく、まちづくりの醍醐味や楽しさを感じてもらえるように進め、終始黒子役に徹しました。イベント終了時には市民や行政の方から「楽しかった、小川さんが担当者で良かった」と言ってもらえ、打ち上げの席で、今回の活動を楽しそうに振り返りながら話しているメンバーの方々を見て、私も少しは貢献できたのかなと感じました。

地域には新しい発見がある。
その地域に根ざしたまちづくりを。

1年目に携わった業務の中で最も印象に残っている仕事があります。ある県から受託した県内19市町村の事業支援です。山間部に位置する地域で、多くは人口が1万人を切り、高齢化も進んでいました。主な業務は、高齢者が安心して住める住宅の設計や補助金申請の手続きといった技術的な支援を各地域で行うとともに、地域特性を生かした事業実施に繋げることです。私の主な仕事は統計データ等を活用して各地域の現状を把握することでした。当初は、増加する高齢者や若者の流出に目が向き、活性化よりも跡地の有効利用の方がいいのではと考えていたところもありました。しかし、県の担当者と議論をしているとき「ここは最先端の地域ではないかと思っている」と言う話が出て驚きました。よく聞いてみると、この地域の人は、ひとりで2つ、3つの仕事を持って生計を回している。春から秋にかけては作物を育て、冬場は木工品の製造を手伝う。兼業副業がいまの時代話題になっているが、うちはもっと前からやっていた、と。私は改めて統計データを探し、それらの状況を数値で可視化していきました。この業務を経験し、地域で実際に営まれている暮らしを知った上で、他の地域や社会状況と相対化させることで新たな発見が見出せるのだと感じました。そういう発見があるところもこの仕事の面白さだと思います。

ページトップへ