INTERVIEW依藤 光代

都市・地域プランニンググループ
平成22年度入社

依藤は、現在2度目の育児休暇中。来年4月ごろの復帰予定だ。笑顔が印象的でやさしいお母さんというイメージであるが、仕事の話になるとプロフェッショナルとして理路整然と話をしてくれた。
そんな彼女も1度目の復帰の際は、仕事と育児の両立で時間の確保に大変苦労した経験を持っている。

ヨーロッパの街並みに憧れて
この仕事を選びました。

私が所属するのは、都市・地域プランニンググループの中の持続・魅力まちづくりチームです。都市計画、まちの景観づくり、商店街の活性化支援などが主な業務です。
まちの景観づくりは、景観を読み解くところから始めます。どのまちにも山や川がありますが、それらが景観の資源として認識されていないことが多いのです。山や川は生活の背景であり、原風景です。それを土台に、ニュータウンや集落の風景、駅前の賑わいの風景があります。それぞれの景色の特長を活かし、たとえば建物の色などまちの魅力を引き出すためのルールを定めていくのが景観づくりです。単にまちがキレイになるとか生活がしやすくなるだけでなく、生まれたまちを誇りに思えたり、ここで育ってよかったと思えたり、心を豊かにする作用もあると思っています。

小学生の頃からヨーロッパの街並みが好きで、学生時代にヨーロッパを旅して、五感に訴えてくるまちの個性を感じました。しっとりとした輝きのあるまち、ザラザラと猥雑な美しさを持つまち、どのまちも豊かさが光っていました。日本は、木造のいい街並みもありますが、強く訴えるものがない気がします。帰国して、景観づくりに関わる仕事をしたいとゼミの恩師に相談したら「地域のために最善を尽くす会社があるよ」と教えてもらったのがアルパックでした。

子どもたちの景観学習を
充実させたい。

まちの景観づくりに携わっていて思うのは、ルールをつくるだけではいいまちはつくれないということです。住民の関係性が重要だと思うようになりました。日頃からあいさつをする、声を掛け合う、そういう関係があると周りを無視して自分だけ壁をヘンな色に塗ったりしないですよね。

なので、将来の目標は、いまよりもっと子どもたちの景観学習に力を入れたいです。子どもたちが住んでいるまちのことを知り、このまちで育ってよかったと感じ、地域に根ざしていく。そして自然に親しみ、四季折々の風景を感じ、美的感覚を養っていく。それらが、家の建て方、外装、庭のつくりなどに活かされていくのだと思います。いまは私も子どもを多摩の丘陵地に連れて行って落ち葉で好きなように遊ばせたりして自然に親しませています。

男女の別け隔てがない会社。
復帰後も責任ある仕事を。

育休を取るのは2回目です。1回目のとき、最後の出勤日に食事会を開いてもらって、「元気な子を産んで帰ってきて」と言われ、ああ、帰ってきていいんだと安心して休むことができました。復帰と夫の転勤が重なり、東京勤務に変えてもらいました。アルパックは男女の別け隔てがない会社です。女性だから、という特別扱いもない。不公平と感じたことは一度もないです。まったく対等に仕事が割り当てられるのでやりがいはありますが、体力的にキツイこともあります。

復帰したときも、他の会社ならマミートラックと言って責任のない仕事に回されたりすることもあると聞きますが、私の場合は時短で働きながら、上司が「自分がしっかりと関わる方がイキイキと働けるでしょう」と、裏方ではなく主担当の仕事を任せてくれました。

自分の仕事を通して、働く女性の
支援をするという使命感があります。

会社の配慮はありましたが、それでも仕事と子育てや家事の両立は大変でした。他のお母さんも同じではないかと思います。

復帰してからは、まちづくりの面から働く女性を支援できるのではないかという使命を感じています。女性が働きやすい社会にする、という風潮が高まり、制度が整えられてきているところです。育休中に、個人的にママ起業家20人にヒアリングして、やりがいを求めて働きたいという気持ちと、子育てを大切にしたいという気持ちに挟まれて、多くのママが葛藤を抱いていることが分かりました。ところが、行政の起業支援は事業計画の作り方や融資の受け方についての講座が中心です。ママが集まって悩みや経験をシェアしたり、解決のヒントを共有したり、そういうコミュニティづくりもあわせて行うことが、支援としてふさわしいのではないかと考えています。

情熱を共有できる
一人でありたいと思います。

大学時代は「ビジネスエンジニアリング」を専攻していました。博士号を取得した研究テーマは「商店街の活性化活動をパーソナルネットワークから考える」でした。一度イベントをしただけでは商店街の活性化にはつながらず、協力しながら活動を続けることが大事です。そのためには主体が入れ替わる、つまり次の世代を担う若い店主に受け継がれることがポイントになります。若い店主がつながり、盛り上がり、新たなコアとなって、新しい活動を始めていくのです。単に商店街に店があるという関係を超えて、情熱を共有できる関係を構築することで、活性化のための活動が続いていくという研究でした。

私の印象に残っているのは東大阪の小阪商店街の活性化プランをつくった仕事です。業務が完了した後も、個人的に若手店主の有志と活動を続けています。仕事を超えた信頼関係ができ、仲間として認めてもらったんだとうれしく感じています。
アルパックは社会やまち、環境をよくしたいと思っている人たちが集まっています。お金を貰った分はここまで、とは思わない。おせっかいなくらいいろんな提案ができる集団ではないでしょうか。ここにも情熱があるんですね。私もその一人でありたいと思っています。

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