INTERVIEW塗師木 伸介

建築プランニング・デザイングループ
平成27年度入社

アラスカを撮った写真で有名な写真家・星野道夫。建築プランニング・デザイングループ 塗師木伸介もまた彼の写真に影響を受けた一人だ。アラスカに暮らす人々の写真に興味を持ち、そこから世界中のまちや人々の暮らしに興味を持つようになった。
つねにニコニコと話す風貌は、穏やかな人柄を周囲に感じさせる。
建築の設計者として塗師木が目指すまちづくりはどんなものか、語ってもらった。

様々な分野の人が協力しないと
まちづくりにつながらないと学びました。

もともとモノづくりが好きで、設計の仕事がしたいとはずっと考えていました。
大学では集まって住むことをテーマに団地の再生プロジェクトや集落調査、公共空間の活用のプロジェクトに携わりました。まちを良い方向に導いていくには、ただ単に建物を良いものにするだけではだめで、そこに住む人々の活動や生業までを考え、建築物の周辺環境や制度などの仕組みにまでアプローチする必要があり、そうするには様々な分野の人々と協力し、総合的に解決していくことが大切だということを大学で学びました。
アルパックに入社したのもそれが理由です。学生時代にここでアルバイトをしていましたので、上下関係が厳しくないフラットなコミュニケーションをとれる雰囲気も知っていましたが、やはり、さまざまな分野のスペシャリストが集まっているという点が大きかったですね。それと、アルバイト時代に調査の手伝いをしていましたが、実際に現地に出向いて、自分の目で見て仕事をする姿勢もいいなと思いました。いまの私も、調査、打ち合わせなどで会社にいる時間は少ないです。

思いが五感で伝わる建物をつくりたい。

私たちのグループは公共建築が主な仕事です。伝統的に保育園の仕事が多く、現在も一件、保育園の設計をしています。その他には公営住宅団地の改修、古民家を改修したレストランの設計等に携わっています。私はまだ携わったことはありませんが、道の駅や加工場等の地域振興施設の仕事もあります。

アルパックの特長というか強みは、設計をするだけではないというところです。設計の前段の計画段階から参加し、地元住民や利用者の方々と話し合い、建物が完成した後の運営の支援まで行うこともあり、そのプロセスの中で他のグループと連携して仕事をすすめることもあります。例えば地域の特産品加工場道の駅なら、地域産業振興グループが特産品の開発を支援したり、ですね。ですから、他の分野のプロと協力して仕事をする能力、コミュニケーション力も磨いていかないといけないと思っています。

印象に残っているのはやはり入社して初めての仕事です。保育園の増築で、先輩の設計の手伝いをしました。1階は活動的なことをする場、2階はお昼寝等静かな活動をする場という上下階で空間の質が違う園舎を設計しました。2階は天井を高くして、あまり例がないですが畳を敷きました。完成した後、保育園を見に行きました。すると、園児が2階に行くとおとなしくなる、というお話を聞いたのです。子どもでも空間の違いを読み取ってくれたんですね。空間は人の大きな影響を与えるんだと強く印象に残りました。その経験から、言葉ではなく、五感で人に伝わる建築を設計するのが私の目標になっています。

建物は、それを依頼した運営者の方よりも長く残る場合もあります。建築したときの思いを無意識に感じることができれば、長い間その思いを伝え続けることができるのではないかと思っています。

大手の設計事務所ではできない
経験を積むことができていると思います。

いま入社3年目です。グループのメンバーは9人の中でも私がいちばん年下です。建築士としてもまだまだ若手で、覚えなければいけないことが山のようにあります。
設計はひとりではなくチームで取り組むので、ときには意見がぶつかることもあるのですが、この会社のいいところは、こんな3年目の若造の意見もちゃんと聞いてくれることです。

大きな設計事務所なら役割分担がされていて、プロポーザル等の企画書の作成、実際の設計、工事監理のそれぞれで専門の担当者が居て、各フェーズで人が変わってしまうところもあるようです。しかし、アルパックは最初から最後まで関わります。企画書を書き、計画を作成し、設計図の作成、現場監理管理まで任される。大変といえば大変ですが、貴重な経験をさせてもらっていると感じています。
上司は仕事へのこだわりがすごくて、決して諦めない人。方針を貫くためにはどんな面倒なことも厭いません。最初は驚きましたが、私もそういう姿勢でまちの課題を解決したいと思っています。

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