越前和紙の里「今立町」 越前和紙の里で全国に知られる今立町は福井県のほぼ中央に位置し、私の出身地「武生市」と隣接しています。その中の大滝地区は1500年の伝統と技を受け継ぐ日本一の紙漉の里で、世界に冠たる「手技の里」です。地区の紙祖神(しそじん)岡太(おかもと)神社・大瀧神社(重文)を中心に数多くの歴史遺産が存する「歴史文化の里」であり、その神体山の権現山は天然記念物のブナ原生林が広がり、緑深い自然の森と里人の生活が融和する「森と人との共生の里」です。 今立町ではこれまで和紙の歴史をはじめ、職人技の見学、紙漉体験などの多くの体験施設および和紙のある風景を楽しめる「和紙の里通り」などの整備を進めています。また、大滝地区では地区の中央を流れる神宮川の砂防工事に伴い、緑のダムづくりを進める自然林の保全と、暗渠化を契機とした大門通の歴史的な町並みの保全・創造、さらには地区全体としてのものづくりの里「大滝浪漫の庄」づくりを目指しています。 平成16年度全国都市再生モデル調査の選定 今春、まちづくりのアドバイスを求められ、帰省と併せてまちを訪問しましたが、折しも平成16年度の全国都市再生モデル調査の募集開始時期にあたり、内容的にも、地元のまちづくりの熟度からも全国のモデル地区としての要件を揃えており、早速応募することで提案書の作成を始めました。テーマは住んで良し、働いて良し、訪れて良しの「神と紙の郷づくり」を目指し、「住みごこちのよい、ものづくりが元気な『神と紙の郷づくり』」として、福井県和紙工業協同組合、大滝の未来を考える会、今立町の連名で応募しました。結果、6月末に全国の162件の中に選定され、研究の準備を開始していました。 7月の福井集中豪雨による被災 しかし、7月18日の午前に襲った集中豪雨の結果、神宮川が氾濫し、地区内の多くの家屋で床上浸水の被害を受け、手漉き和紙工場もほとんどが生産できない大規模な被害を受けました。当面は災害復旧活動が優先し、国からも研究延期の打診も出されましたが、多くのボランティアの支援の結果、復旧も早くに進み、また、モデル地区に選定されたこのチャンスを活かして具体的なものづくりの里の実現に対する地区の人の思いが結集し、8月からは具体的な調査研究についての検討を開始しました。 神と紙の郷づくりの会の設置 調査研究を進めるにあたり、「神と紙の郷づくりの会」を設置、会の中に、「神と紙の郷シンボルロードづくり部会」「ふれあい交流の場づくり部会」「神紙の森づくり部会」「元気なものづくり部会」の4つの部会を設置し、活動を開始しています。