レターズアルパック209号

日本とベトナム、良き隣人としての未来をめざす
~ベトナム企業視察の感想を踏まえて~

執筆者;代表取締役会長/杉原五郎

 本年2月のベトナム視察ツアーには、中小企業経営者、大学関係者、弁護士など「アジア中小企業協力機構(ICOSA)」のメンバー15名の一人として参加しました。ベトナムでは、日系企業、現地企業、ホーチミン市工業大学、職業訓練学校、技能実習生訓練校、ドンズー日本語学校、工業団地などを視察し、関係者と懇談、意見交換をしました。今回の視察を通じて、私は以下の3点が印象に残りました。

第1に、日本とベトナムが大変近しい存在であること

 日本とベトナムの両国は、経済的な面だけでなく、文化や人的交流の面でも結びつきが大変親密であることを実感しました。毎年、多くのベトナムの若者が実習生や留学生として来日し、ものづくりの技術などを学び、日本文化に触れています。同時に、現地には日系企業やローカル企業の幹部として活躍している日本人が多数いることもわかりました。

第2に、日本の中小企業とベトナムの中小企業の間で、相互補完の良好な関係が構築されつつあること

 日本は、人材不足などの理由でしっかりした高い技術を有しながら多くの企業が廃業の危機に直面しています。一方、ベトナムでは、技術、品質、生産内容で劣るもの、若くて意欲的な人々が多数いて日本に学ぼうとする積極的な姿勢があります。日本とベトナムがそれぞれの強みと課題を相互補完しながら、良好な関係が構築されつつあります。

第3に、ベトナムでは、高速道路の整備、近代的なビル建設が進む一方、交通問題や都市問題が顕在化しつつあること

 今回の視察では、街や地域をつぶさに見て回ることはできませんでしたが、高速道路の整備が進み、瀟洒な高層オフィスやマンションが建ち並び、経済成長が著しいことも実感しました。広い通りの中央分離帯には、緑豊かな樹木が植栽され、道路が交差するロータリーには色とりどりの花が植えられていて、日本以上に美しい景観に驚きました。同時に、前回訪れた10数年前と比較して、相変わらずバイクが街中にあふれる中で、クルマが飛躍的に増加し、交通渋滞の頻発、交通事故の多発、大気汚染の進行など、交通問題が顕在化しています。鉄道やバスなど公共交通の整備、歩行者空間の充実が急務と痛感しました。鉄道建設などインフラ整備などハードだけでなく、水処理、環境対策、中小企業支援、まちづくり、人づくりなど、ソフト面においても日本の果たす役割が大きいと思いました。


ホーチミン市内の交通混雑状況

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2018年5月発行

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