レターズアルパック209号

上山高原で「べっぴんさん」の茅の出荷が本格スタート

執筆者;サスティナビリティマネジメントグループ/駒和磨

 上山高原エコミュージアムでは、再生したススキ草原で刈ったススキを茅としての活用が進められています。
 上山高原は、自然再生の取組開始から17年が経過し、平成29年度には、約40ヘクタールものススキ草原が回復しています。今後、さらなる地域の自然資源の活用の為、平成29年度5月に神戸市の「淡河かやぶき屋根保存会 くさかんむり」と「NPO法人上山高原エコミュージアム」が、ススキ草原と茅葺き文化の維持・継承を目指し、連携協力しあうことを目的とした協定を結びました。そうした中で、昨年度から、刈り取ったススキを茅葺き用の茅として利用するプロジェクトが始まりました。上山高原の方と上山高原の茅を使用している神戸市の茅の葺き替え現場の視察の際には、茅葺き職人の方から「上山高原の茅は、真っ直ぐ、しなやかで、べっぴんさん」とお聞きし、皆さん、今後の活動に対してより一層のやる気を出されています。


初めて山焼きを体験する地元の子ども達

職人さんの指導を受け、茅の出荷に向けて束ね直し作業を行う

 しかし、ススキをただ刈るだけでは、「べっぴんさん」と呼ばれる茅はできません。上山高原では、毎年4月の、「上山高原 山開き・山焼き」や但馬牛の放牧などの多種多様な管理を行うことで、灌木・ササの侵入を防ぎ、「べっぴんさん」の茅ができるススキ草原を維持しています。
 ススキ草原は、イヌワシをはじめとする希少な生態系の一部のみならず、地域の観光資源、茅葺屋根用の茅の供給、地域の特産品としても、重要な資源となっています。「自然を保全する」という活動が、「ただの作業」ではなく、本来の里山と人間との関係の様に、「暮らしていくための活動」となるように、今後とも取り組みを継続していきたいです。
*本業務は、サステナビリティマネジメントグループの畑中直樹、中川貴美子も担当しています。


視察現場で熱心に屋根の上まで登る上山高原の人々

レターズアルパック209号・目次

2018年5月発行

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