レターズアルパック207号

東山発・白朮(をけら)で街を彩ろう

執筆者;地域産業イノベーショングループ/高野隆嗣

 秋も深まった霜月の休日、弊社の氏神様を祀る八坂神社において、「をけら再生キックオフセミナー」(NPO法人国境なき環境協働ネットワーク主催)を開催しました。
 をけら詣り。大晦日の午後七時から境内で焚かれる「をけら灯篭」の炎を火縄に移し、消えないようにクルクルと回しながらお参りする光景は、年末年始を代表する風物詩です。この灯篭で焚かれるのが生薬の「をけら(白朮)」 です。かつては菫や桔梗などと同様、全国で広く野生種が見られたそうですが、現在は京都府「レッドデータブック」でも絶滅危惧種に指定されています。八坂さんでもわずか一株が自生するのみで、「をけら詣り」の際には薬種商から購入したものが使用されているそうです。
 こうした中、神社では京都市都市緑化協会の協力を得て、ただ一株残った白朮の株分けや府内の他の株との交雑に数年前から取り組み、ようやく百株ほどに増えました。更なる草勢拡大を目指す中、「八坂神社の白朮を東山地域の皆で保全&再生の取組を広げよう」という願いのもとで開催したのが当セミナーです。


おけら

 八坂さんの自生種の子孫となる苗を境内に植えかえ、地元の弥栄学区自治連合会や祇園商店街、お茶屋組合などに、株を「お預け」しました。今春には更に数十株をお預けして取組を広げていく予定であり、地域の皆さんに育まれた「東山産をけら」を用いた「をけら詣り」を再現することがNPOの目標です。家庭で育てるのは中々に難しいそうですが、根は生薬、葉は天婦羅やお浸しなどに美味とか。「をけら尽くし」のお料理を、祇園で堪能する日を夢見ています。


植樹式

レターズアルパック207号・目次

2018年1月発行

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