レターズアルパック205号

「集落を復興する」ということはどういうことかを
考える~新潟県長岡市山古志(やまこし)地域を視察して~

執筆者;地域再生デザイングループ/羽田拓也

 熊本県南阿蘇村の復興むらづくり推進協議会の皆さんに同行させていただき、中山間地域での震災復興の先進地として、長岡市山古志地域に伺い、現地では、復興公営住宅やインフラ復旧等の状況を見学したほか、住民の方々との意見交換などを通して震災後の思いや取り組みなどもご紹介いただきました。
 山古志には14の集落があり、2004年10月中越地震が発生した当時は約2,100人が住んでいましたが、現在は約1,050人とほぼ半分になり、高齢化率も約50%となっています。ハード面の復興だけでなく、2008年には山古志産の野菜などをふんだんに使った料理を提供する農家レストランが地域の女性主体で開業するなど、震災後の新しい営みも生まれています。また、元々の住民で農作業や行事に「通う」住民も一定数おられるほか、農産物などの販売所の運営などに全国からボランティアで来られるなど、地域を支える方々も多いことにも驚きました。


山古志産の産品が使われている「山古志弁当」

復興モデル住宅

土砂により埋まった住宅(震災遺構として保存)

 2005年策定の長岡市復興計画では、住宅やインフラなどの復旧を行う「復旧期」(発災から概ね3年間)、本格復旧及び復旧されたインフラと市民の力をもとに徐々に地域の価値を高める「再生期」(4~6年目)、地域全体が新たな魅力と活力ある長岡市として生まれ変わり安定的に発展していく「発展期」(7年目以降)と位置づけられています。暮らしが落ち着き、崩れた山肌には草木が生い茂り、被災された様子は見た目に分からないので「復興した地域」と言いがちですが、「山古志は復興した、と言われるが、『復興』は『戻して興す』こと。今より良くすることと捉えると『復興』に完了形はないと思う」。これまで復旧復興の事業推進を進めてこられた行政の方の言葉が印象的でした。
 現在、アルパックでサポートさせていただいている南阿蘇村では、「復旧期」として住宅再建やインフラ復旧等に取り組みはじめたところですが、山古志に行かせていただき、今後の「再生期」、「発展期」も見据えた「復旧期」の検討・事業推進をサポートできれば、と実感しました。


地域とボランティアで運営する震災復興資料館

集落移転等で整備された集落

レターズアルパック205号・目次

2017年9月発行

特集「秋の夜」

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